SNOW DROP (5) 【名探偵コナン/警察学校組】

友との夜 ページ11

その1時間後。


思考を整理するように、
警察学校の周囲をひたすら走っていた景光は、
シャワーを浴びた後、寮の自室で小さくため息をついていた。

Aとのことは、
降谷のことで喧嘩をしてしまったという事実から、
彼なりに、必然的に、納得したというように、
自嘲めいた笑みを浮かべながら。

それは昨夜に、
既に納得していたはずの感情ではあったのだが。


「諸伏、いるか？」

そこに、急に部屋を訪ねてきたのは、萩原だった。

景 「萩原？」

ドアの外には、
萩原と、その後ろには、視線を逸らす様に立つ松田と、
ニヤリと笑う伊達の姿があった。

すっと部屋に入ってきた萩原の手にはビニール袋。
ニヤリと笑いながら、取り出したのは、
ビールの缶だった。

景 「…え？」

萩 「飲まねぇ？」

景 「…は？
…いや、規則違反だぞ？」

萩 「諸伏も堅ぇよなぁ？
降谷かよ。
…良いんじゃねぇの？最後の夜だし…な？
それに、飯食ってねぇんじゃねぇ？」

景 「…あ」

食堂で見かけなかった景光を気遣う様に、
ビール缶とともに、弁当と、つまみの様なお菓子を取り出す萩原。
近くのスーパーで買ってきたのだろうか。


伊 「ま、そういうことだ…な」

そうして、またもニヤリと笑う萩原と伊達に乗せられる様に、
景光はため息とともに、口元を緩めた。

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