シスコン９ ページ10
·
「んぅ〜……」
「月永先輩…？」
放課後の事だった。
約束通りKnightsの集合場所もとい、瀬名ハウスとやらへ行けば案の定月永先輩がいないとのことで。
まぁ「探してきてよ、プロデューサー」と良い笑顔で凛月に言われたため、適当にウロウロしていると、何やら悩んでいるのか月永先輩が頭を抱えていた。
「浮かばん浮かばん浮かばーん！！
インスピレーションが沸いてくると思ったのに！」
何やら、お得意の作曲のようで。
少しボリュームを上げて「月永先輩」と声をかけた。
彼はフワリと丹色の髪を靡かせて、振り返った。
ライトグリーンの瞳が、私を見据える。
「……ハッ！
ちょっと待て！
インスピレーションが湧いてきた…！！」
「…待ちますよ、いくらでも」
休まずにペンを動かし始めた月永先輩。
しばらくすれば、大人しくなることを知っている。
ただ紙とペンが擦れる音が、聞こえてくる。
時折、風が私達の髪を弄んでいく。
それでも彼は、止まることを知らないかのようにペンを動かし続けていた。
「……なぁ、A」
「………はい？」
「これは素朴な疑問なんだが、なんでお前はいっつも俺の事を見つけられるんだ？
エスパーか？
エスパーなのか！？」
この台詞が、月永先輩の作曲が一段落ついたのだと理解出来た。
心做しか、月永先輩の瞳が輝いている気がする。
「……そうですよ
月永先輩の事は、なんでも分かります」
ホントは、ただの偶然だったり勘だったりするんだけども。
「そうか！！
Aはエスパーだったのか！」
「まぁそんなとこですかね。
月永先輩、今日Knightsのプロデュースしたいんで瀬名ハウス行きましょう」
「ん？
俺はそんな話聞いてないぞ？」
「すみません、勝手に決めちゃいました。
どうせプロデュースするなら、Knights全員の方が良いかと思いまして……」
「ん〜
本当はあまり今日は本調子じゃない気がするけど
まぁAが言うならいいぞ！」
「ありがとうございます」
ワシャワシャと頭を撫でられ、微かに笑みを零した。
「Aは俺の第二の妹みたいだなっ！」
……兄は、夏目だけでもう十分です。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 652人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美玲(プロフ) - 夏目くんいいですよね!!ちなみに私はEden、Switch箱推しです！良かったらEdenとも沢山からませて欲しいです!!更新頑張ってくださいね！応援してます！ (2022年8月2日 13時) (
レス) id: 0536cf4548 (このIDを非表示/違反報告)
はなまるぴっぴ(プロフ) - ゆっこさん» 大変な勉強不足、申し訳ございません……直ちに直してまいります！ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月9日 8時) (レス) id: 620a9ea05d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ - 蓮巳先輩は、黒髪ではなく深緑です。更新頑張ってください！応援してます。 (2017年9月9日 7時) (レス) id: 7dbd32ccfb (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年5月20日 14時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
はなまるぴっぴ(プロフ) - つーさん» ありがとうございます…！ご迷惑をおかけしますが、これからも気長に待っていただけると嬉しいです！ (2017年4月27日 18時) (レス) id: a5b2039c44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：座右の銘 | 作成日時：2017年3月4日 20時
