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連絡が来たのは２週間空いた月曜日だった。
しかも、夜遅くに。
内容は明日会えないか、というもので、正直仕事が溜まっていて定時に上がれる確証がなかった。
そこで一か八か自宅でもいいか聞いてみると、特に何も疑問に思われることなく快諾された。
これなら、定時で上がって家でもできる。
何年も彼女なんていないし、友達の少ない自分が急いで帰る姿なんか見られたら、部長や同僚は驚くんだろうな。
バタバタと立ち上がり、リビングでPCを開いた。
暗がりの中でブルーライトがぼんやりと俺の顔を照らす。
こんな遅い時間に仕事なんてバカみたいだ。
でも、明日彼に会えるなら、少しでも余裕を持ちたい。
今頃、櫻井さんは何をしているのだろうか。
「大野、明日の営業ミーティングで終了したイベントの達成率報告してもらうから。今日中にまとめとけよ」
「えぇ…明日じゃだめですか？」
「いやいや、朝イチのミーティングなのにいつやるんだよ」
「明日朝早く来てやります」
「なんだ、急いでるのか？」
「すみません、ちょっと…あっ！」
PCの時計が18:00になったのを見届けると、急いでタイムカードを切った。
「必ずやるんで！すみません！」
「いや、いいけど…珍しいな。ひょっとしてデー…」
「お先に失礼します！」
あのまま部長の会話に付き合ってたらおちょくられるに決まってる。
勢いよく外へ飛び出すと、暗くなったばかりの空に小さく星が浮かび上がっていた。
今日は晴れてる。
先週は雨だったけど、きっと今夜は月が綺麗に見える。
いつもはこんなこと気にしないのに、あれ以来月の見える夜がいとおしく感じてしまって。
なんだか嬉しくなって、足早に帰路に着いた。
早く会いたい。
会えるんだったら、何だって犠牲にできる。
俺は、先に先に物事を見すぎなのだろうか。
自分の中にある好きという感情は受け止めているつもりだが、口にすることで何かが壊れてしまったら。
そう思うと突然、彼に会うのが怖くなった。
鍋を煮込みつつ時計を見ると、もう残り時間はあとわずか。
このわずかの間に、覚悟を決めなければならない。
これからどうやって、彼と向き合っていくか。
せめて、その心に寄り添える隙間があれば。
迷惑だなんて思わないでほしい。
もし道を間違ったとしても、もう二度と会わないなんて言わないでほしい。
なんでも我慢するから。
大丈夫、大丈夫と言い聞かせるけど、俺自身にも隙間は生まれていて。
その小さな隙間を埋められなかったとき、また振り出しに戻ってしまうことが怖かった。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
