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「こんなに好きになったやつ初めてなのに…どうしてかわかんないけど、上手くいかないんだよな」
もう、俺たちは鼻と鼻がくっつく寸前まで顔を近付けていた。
俺も翔くんにたいしてそう思っていた。
こんなに好きになった人は、彼が初めてだって。
もし翔くんが他の誰かと付き合ったりしたらきっと耐えられない。
でも俺は潤くんのようにはっきりと気持ちを伝えられる性格じゃないから、きっとひたすら泣いて、また元の自信のない自分に戻ってしまうんだろうな。
「上手くいかないことって、あるよね」
頬に触れるかれ手の上に自分のを重ねる。
「俺も、今までずっと上手くいかなかったの。友達もいないし、勉強もできないし、毎日家に帰って教室のお手伝いをするだけ。こうして遊んだりなんてしたことなかった」
真っ黒な瞳に映る、自分の茶色い瞳を見つめる。
「だからね、潤くんが友達でいてくれてよかったよ。友達になってくれて、好きになってくれて、たくさん相談に乗ってくれて…潤くんがいなかったら今頃俺…っ、」
そこまで言うと、もういいと言わんばかりに唇を塞がれた。
暗闇の浜辺では、誰に見られているかわからない。
こちらからも、誰が見ているのかわからない。
本当は傷付けてごめんねって言いたかった。
それを言いたいがために、わざわざあとを追いかけて来たのだから。
でも言えなかった。
それを口にしたほうが、きっと彼を傷付けることになるから。
「んんっ…ん、」
なかなか唇は離れないどころか、どんどん深くなっていっている気がする。
必死で鼻で息をするも、味わうように何度も、丹念に啄むようなキスをされた。
潤くんなら嫌じゃない、なんて思ってしまう自分も悔しくて。
こないだカズのことで怒られたばかりなのに。
でも、潤くんはわかっているはず。
そんなことしたって、俺の心は翔くんにあるんだってことを。
だから抵抗はしなかった。
大好きな友達として、この行為を受け入れたのだ。
「キス、上手いね」
「っ、恥ずかしいからやめて…」
「そう？ならこれは？」
「ちょっ、と…」
腰を抱かれ体が宙に浮くと、そのまま浜辺に尻餅をついた。
潤くんは俺の前に腰を下ろし、肩を押し砂浜に体を押し倒す。
貝殻の欠片がチクチクと腕に刺さって痛かった。
でも、ふわふわの布団の上に寝かされたみたいに生暖かくて、眠ってしまいそうなほど心地よかった。
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富喜田 - 大野さんが凄く可愛かったです！ 櫻井さんsideは初めてだったので、 読んでいておもしろかったです。 続きを楽しみにしています！ 私の毎日の楽しみになっちゃってます！ (2020年8月15日 18時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» そうですね、貴重なご意見ありがとうございます！ (2020年8月9日 6時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 大野君って矛盾してますよね。自分がされて嫌なら潤くんとのキスも思わせぶりな態度も改めればいいのに。 (2020年8月9日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月25日 13時
