welcome 2 paradise

itsuki 4 ページ5

樹「そんな顔しないで」





そう言って今度は優しく微笑んで髪をくしゃっと撫でられた






「だって、、！私もっと樹くんのこと知りたいのに…私のことも知ってくれるんでしょ？」







必死すぎって笑われちゃうかな



でも一度踏み入れた楽園からそう簡単に現実に戻れるほど私は器用じゃない









どうしたらいいか分からず俯いていると首元に樹くんの腕がまわってきた









香水の香りにふわっと包まれて、それが離れた瞬間
首に何かがついた感触







「ネックレス？」






見るとそれはシルバーのネックレスだった。Iの文字とネコのチャームがキラキラと輝いてる






樹「そ、また来た時に会えるように」








「私、また樹くんに会えるの？」







樹「だから今日はここまで」









また会ってくれるんだ、もっと樹くんのこと知れるんだ









安心感からかバクバクしてた心拍数も落ち着いて









「分かった、またね」








樹「ん、いい子」









片手をポケットに突っ込んでもう片方で私の頭をポンポンって優しく撫でて







私は今日何度目か分からない心臓の高鳴りを感じて出口に向かった









ーーーーーー








友達「もー！A、どこ行ってたの？電話しても全然出ないから探したよ？」





下に降りていけば数時間前に私を置いていった友達4人が集まっていた







「ごめんごめん、迷子になって戻ってこれなかった笑」








置いていったくせになんだよと心の中で毒を吐きつつも、そんなことはどうでも良かった








きっとこれがなかったら樹くんにも会えてなかっただろうからある意味感謝しなければならない









友達「なんかA楽しそうだね？」







「ふふっ、そう？」









考えてること、行動が読めなくて、気怠そうだけど核心をつくような艶っぽい目をしたネコの様に気まぐれな彼









これはまだ私の中での秘密にしておきたい

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