welcome 2 paradise

itsuki 3 ページ4

バーカウンターに並んで出されたカクテルを飲みながら樹くんと話しをする






「樹くんって21歳なんだね、もっと大人っぽく見えた」






樹「うん、よく言われる でも俺もAが年下だと思わなかった」







「ほんとに？！今日はね、いつもより大人っぽくしてるの、だからそう言ってもらえると嬉しい」







お酒がまわってきたから少し饒舌になって、さっきまであんなに緊張していた敬語なしの会話も難なく出来ている









樹「ねえ、カシスソーダの意味って知ってる？」







また唐突な質問









「…意味なんてあるの？」









あ、瞳の色が変わった



また最初みたいな艶っぽくて色気のある目









樹「あなたは魅力的」






そう言って樹くんは腕を伸ばして私の頬をゆっくりと撫でる







「っ！！」







綺麗な長い指に触れられたところが熱くて、顔中に熱が集まる








絶対いま顔真っ赤だよ…恥ずかし









カシスリキュールよりも甘ったるいそのセリフと行動は私の心を酔わすには十分すぎるほどだった









「俺もAのこと知りたい、ねえ、教えてよ」









お世辞だろうとか、遊び相手にさせられるかもとか、今はそんなのどうでも良い









目の前にある快楽に溺れてしまいたい









樹くんという名の魔法にかかって弾けてしまえばいい









バーカウンターの上にあった樹くんの右手に自分の手を重ねて彼を見上げれば交差する視線








「いくらでも、、樹くんが知りたいこと全部…」









一瞬驚いたような顔をしたけど、グラスに入ったカクテルを飲み干してまた私の手を引いて歩き出した







何処に行くの、何をするの？



頭の中は好奇心で埋め尽くされて、このまま夜が明けなければいいのになんて考えてる









でもそんな魔法は突然に解けてしまう




無機質に鳴り響くケータイの音







ディスプレイを確認すれば一緒に来た友達の名前







樹「出ないの？」






「…一緒に来たくせに私のこと置いていった友達。たぶん合流しようって連絡だと思う、、」









なんでこのタイミング？

どうせなら置いて帰って欲しかった









樹「戻りな、友達のとこ」






「えっ、でも私「今日はここまで」







全てを言う前に終わりを告げられてしまい心がちくっと痛む

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