番外編 ページ17
「……燐、……お願い、…バイバイしちゃう前に、ギュッ、ってして?」
まふ、本当に悲しいんだろう。泣くのを堪えながら、必死に単語を繋げていってる。
ボフッ
そんな効果音がつきそうなくらい、勢いよくまふに飛び付く。ごめんねまふ。
『まふ、……ごめんね。』
『まふのこと嫌いになんてなれない。愛してる。』
「…へ…?………」
『もういっそさ、結婚しよ?』
「………りん……?……うそ………?…」
まふは、今まで堪えていた涙を溢れさせ、声にならないような、か細い声で聞いてくる。
「燐のばかぁ!!!!」
『ねっ、ごめんって!!!もう一生あんなこと言わないから!!!』
「僕のこと本当に好き…?」
『さっき愛してるって言ったでしょ。』
「それだけじゃ足りないの!!!」
まふは、欲しがるように『愛してる』という恥ずかしい言葉を言わせようとしてくる。けど、ねだってる姿もいとおしく思えて、好きなんだって実感できる。
「ていうか、動画でも撮ってたの?」
『うん。』
「カメラは?」
『テレビ台のところと、棚。いぇーい!ドッキリ大成功!!!』
僕が、カメラに向かって成功を祝っている間、まふはずっとカメラ探しをしてる。
ドッキリ動画をサイトにあげると、一気に視聴回数は上がり、コメント欄も、青い鳥のリプも、本当にすごい数が来て、二人で、恥ずかしいながらも喜んでいた。
{ まふ、凛くんのこと好き過ぎだろ。 }
「それほど凛のこと好きなんですぅーだ!!!」
今現在、そらるさんとスカイプ繋げて生放送中。そらるさんとまふの言い合いめっちゃ可愛い。
«凛君、貴方ドッキリしかける才能ないわよ。
『なんで俺に才能ないの?!!』
« ネタバラシするの速すぎ!!
« あんなプロポーズされて喜ばない人いない!!
『いや、10人に4人は嫌がるんじゃない?』
「いや、10人全員喜ぶね。」
{ まふの言う通りだよ。 }
人生初のドッキリは、楽しくて、ちょっとだけ心が痛くて、愛を再確認できた、すばらしいものでした。
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あのさ、なんか可笑しくない?
それと、そらるさんの『凛』の漢字表記『燐』にしてしまいました。ごめんなさい。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:reon | 作成日時:2018年3月14日 22時