【A3!】彼女の攻略、ハードモード 2nd【摂津万里】

玄関先で変顔対決 ページ14

ASIDE

「ただいまーっと」

「カントク、どこ…」

「真澄くん、靴片付けて〜！」


万里達と共に、寮まで帰ってきました。皆で帰るの楽しいね！

真澄くんはいづみさんに会うためにはやく帰る、って超早歩きで、3人で追いかけながらだったけど。傍目に見たら、やたら歩くの早い集団。草。


でもそんなこと言いながら、私が来るまではちゃんと待っててくれてた訳で。万里から私が皆と登下校したがっていた話を聞いたらしい。優しい子だ。


『真澄くんはあれかな、いづみさんに玄関で出迎えてもらうのが夢なのかな？』

「あー、こんな感じ？…おかえりなさい、アナタ」


靴を片付けた万里が、私に向かってそう言った。語尾にハート付きで、演技はバッチリ。

え？お前が嫁ポジションなの？


『ただいま。あー、今日も疲れたよ』

「毎日お疲れ様です。先にお風呂にする？ご飯？それとも…ア、タ、」

『きっしょ！強制終了！』


ひとまず乗ってみたものの続きが余りに気色悪くて、片手で顎を掴んで閉じさせる。
うわ肌すべすべ…私負けてるくない？


『咲也くんに何つーゲテもん見せようとしてんの！』

「えっ俺！？」

「いにゃ、にゃからってあぎょつきゃみゅなよ」

『フッ、何言ってんのか、わかんなブフッ、アハハハ！変な顔！』


駄目だ、私に顎掴まれてる万里の顔が面白すぎる。元の顔が言い分、余計笑える。そのまま喋ろうとするから、呂律回ってない感じがさらに笑いを誘う。腹痛い。

咲也くんも真澄くんも、こらえようとしてるけど肩が震えてる。なお、真澄くんに関しては私と万里の茶番から笑ってた。


「れめー、こよにゃろう」

『ヒーッ、やめ、喋らないで、いた、至さん、至さんどこー！』

「呼ばれて飛び出てジャジャジャ…ブハッ、どういう状況？とりあえず写メ…くそ、笑ってブレる」


ナイス至さん！ちょうど帰寮した！これで万里の変顔は永久保存！
なんて言って爆笑し続けていると、私の両頬を万里が両手でつまんできた。

うわっ、こいつうら若き乙女の顔に何を。


『ひょっと、にゃにしゅんの！』

「しきゃえしだ！」

「ちょ、俺の腹筋シックスパックになっちゃうんだけど」

「2人共、仲良しですね！」

「…俺もカントクと変顔して笑い合いたい…」


真澄くん、そんなのでいいの！？
愛しのいづみさんとしたいことが、変顔対決でいいの！？


結局、私と万里の変顔は仲良く至さんのスマホに収められ、団内LIMEグルにて拡散されたのだった。

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