独り言 ページ13
『ん〜終わった!』
時刻は16時半。
授業が終わってから生徒会の仕事をしていた私は、ぐぐっと両腕を伸ばした。
さて…今日1日、私がどんな状況におかれたか…皆さんなら想像に難くないだろう。
『休憩時間は常に人に囲まれるし、廊下を歩くだけでも視線を感じるし、悲惨だった…』
よく頑張った私。お疲れ私。
万里も廊下で見かけた真澄くんも質問攻めに遭っていたが、奴らは自業自得だ。慈悲は無い。
なお、私に向けられた質問は主に
[万里、真澄くん、至さんとの関係]、[口調の変化について]
の2点だ。
私は、廃人ゲーマーであること以外…
劇団で家政婦をしていて、そこに万里や真澄、校門にいた至さんもいて、弁当作りは私の仕事で他の劇団員にも作ったことを話した。
つまり、万里や真澄に言い寄るために弁当を作った訳ではない、至さんも含めてそういう関係ではない、と。
万里や真澄くんは学園のイケメン代表だし、変な誤解を生むのはまずいからね…保身大事…。
口調については、男が多く、それも全員個性の強い劇団の中で、丁寧に話してるとやっていけないから使い分けているのだと説明した。
『ぶっちゃけあっちが素だけどね』
そこまで話すと、皆ショック受けそうで…イメージ違いすぎるし。まあ少しずつ素を出していけば、慣れてくれるだろう。
もち、廃人ゲーマーなのは伏せておく方向で。
何にせよ、私の懇切丁寧な説明といつもの笑顔で、皆は納得してくれた。
まだ明日も質問や視線はあるかもしれないが、明後日には落ち着くだろう。
備品のパソコンや資料を片付け、さあ帰るぞと鞄を手に取る。
その時、生徒会室の扉が開いた。
「Aさん、お疲れ様」
『お疲れ様、響くん』
我が学園もう1人のイケメン代表にして王子、副会長だ。
『何か仕事?』
「書類の訂正をね。Aさんは?」
『今仕事が終わって、帰るところ』
「そっか。送ってあげたいけど、この書類急ぎで…ごめんね」
『気遣いありがとう。友達も待ってくれてるし、大丈夫だよ』
「…もしかして、摂津くん?」
おや。今朝のこと、響くんにまで知れ渡ってたか。
『正解。あと、同じ劇団の咲也くんと真澄くんも』
「なら帰り道も安心だね。また明日」
『うん、バイバイ』
柔らかく笑む響くんに手を振って、私は生徒会室を出た。万里達は図書室で課題をやりながら待ってくれている。早く行かないと。
ー
NO SIDE
「…気に入らないなぁ」
不穏な、独り言。
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わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時