その31 帰ったのに ページ34
新幹線に乗って、また、眠った
あの夢の続きが見られるかも、なんて淡い期待を持って瞼を閉じた
また、夢のなか
女の子と男の子があの夢の続きのように立っていた
「…ぜったい、ぜったいだよ」
「ああ!約束する!」
女の子が念を押すように男の子に問う
それに男の子は胸を張って応えた
「…__…もう、行くよ」
『…っ…!』
「…おねーちゃん…じゃあね!約束だよ!__!」
名前だけが濁って聞こえなかった
それでも、なぜか、その光景が懐かしく感じた
『…ぅ…?』
誰かに、身体を揺すられて、目が覚める
寝ぼけ目のままで私を起こした犯人を確認する
『…うぃ…!?』
目の前にいたのは、お姉ちゃんではなく
「…おぉ!?…そんな驚くとは思ってなかった!」
『…月永…せんぱ…?』
「俺だぞ〜!…うっちゅ〜!」
『い、いや…そうじゃなく、て…』
"ナナセ、心配してたぞ"と眉を少し下げて笑った
…ナナセ
こんなときに、お姉ちゃんの名前なんか出さないで欲しかった
『また…また、お姉ちゃんに逃げるの?』
「……っ…!?」
私は無言で立ち上がり、電車の出口の方に早足で歩いていく
その場から動かない月永先輩に声をかける
『…いいですけど。ほら、帰りましょう』
私が先に電車から出ようとしたとき
手首を捕まれて、不可抗力で月永先輩の方を振り返る
「俺が、一番…心配した」
予想外の言葉に息が詰まる
『今は、それで許してあげる。…ね、レオくん?』
約束のことは忘れてないから
目を細めながら笑い、そう言った
>>>
「…っ!…A!!」
学院に戻った瞬間にお姉ちゃんに名前を呼ばれて抱き締められる
『…おね、ちゃ…』
「このメモなんなの!?…ふざけないでよ!!」
私が学院から逃げる前に机の中に入れた紙切れを私に突き付けて怒鳴る
そんなお姉ちゃんの瞳は微かに潤んでいた
『…ぜんぶ、嘘』
私の声も震えていたかもしれない
また、怒られるのが怖くて?先生が怖いから?
全部、はずれ
みんなに嫌われたくなかったから
自業自得だと、ほとんどの人は言うだろう
それでも、心配してほしかった
愛を、感じたかった
『…ごめ、なさ…い』
目から雫が一粒、手の甲に零れ落ちた
>>>
いや、電車早くでろやって話
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あり(プロフ) - 。さん» まじでありがとうございます。修正いたします! (7月9日 22時) (レス) id: 464bb8ff7d (このIDを非表示/違反報告)
。 - 20話の敬人の苗字【蓮見】じゃなくて【蓮巳】です (2023年5月7日 11時) (レス) @page22 id: 9c37ed3b41 (このIDを非表示/違反報告)
イキリだした陰キャ - はちみつさん» コメントありがとうございます!伝えたいことが伝わっててすごく嬉しいです…!ただ闇が深い子よりもみんなが抱えてそうな病みをなんとなくでもわかっていただけたら幸いです…!! (2020年4月27日 17時) (レス) id: 1bb0adca1d (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 切なくて泣きそうになるけど所々ギャグがあって面白いです!!更新がんばってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: 25159701e6 (このIDを非表示/違反報告)
イキリだした陰キャ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただきありがとうございます!更新は早めにできるように努力します…! (2019年10月12日 16時) (レス) id: 6bf35dac11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ありーむ x他2人 | 作成日時:2018年1月14日 13時