第六話 ページ7
「あそこで見たのと同じドールハウスだ」
「これって誰のパレスなんだろう…」
「…八奈見っていう人じゃない?今日名前を聞いた関係者ってその人くらいだし…」
「施設の運営者か…有り得る話ではあるな」
ジョーカーの目配せで、一同はドールハウスの中へと向かった。
*
「…何、ここ…」
ジョーカー達の目の前には、ネジ巻きが後ろに付いた子供達がオモチャの兵隊に従えられていた。
泣き出した子は鉄砲の音でピタリと泣き止み、俯いた暗い表情の子供達がせっせと兵隊の武器を作る。さしずめ、軍事工場のようだった。
「酷い……これが八奈見って人の認識している施設だなんて…」
「たまにニュースになっていたりするよね。施設の職員が子供達を虐待していたって…。もしかして、佳代子ちゃんのあの傷は……」
ーー止めなければいけない。怪盗団で。
「まずはお宝の場所を探そうぜ。二階に行ってみるぞ」
「うん!」
モナの予想通り、二階の奥の部屋に"お宝"はあった。
「とりあえず次に来る時に侵入ルートを確保しよう。そしてその次に予告状を出そう」
「了解。一刻も早く、子供達が安心して暮らせるようにしなくちゃね」
「抵抗できないからって子供を虐めて脅すなんて、絶対に許せない」
杏と双葉の言葉に一同は力強く頷き、パレスを後にした。
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ヒマリン - 明智かっこよすぎる (2021年1月6日 10時) (レス) id: 88fe224ab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2019年12月31日 3時