第一話 眠り ページ2
ピッ、ピッ、と規則的な音が、薬品くさい部屋に繰り返される。
部屋の真ん中に置かれた白い寝具には管に繋がれた少女が眠っており、寝具の横には点滴台が置かれている。
「…シャル」
少女の名を寂しげに呟くのは、イタリアを牛耳るギャング組織、「パッショーネ」のボスであるジョルノ・ジョバァーナ。まだ17歳だ。
眠っているのはシャル・バートリー。
路地裏でパッショーネの最下層のギャングと揉め、負けることは無かったにしろーー致命傷を負ってしまい、昏睡状態にある。
「いつまでそこにいるつもりだ?ジョジョ」
病室のドアから顔を覗かせるのは、ジョルノの護衛を務めているグイード・ミスタと、パンナコッタ・フーゴ。二人とも、ジョルノの良き理解者である。
「ミスタ、フーゴ…」
「心配なのは分かりますけど、少しは休んでください。あなたはもう、パッショーネのボスなんですから」
フーゴに嗜められたが、ジョルノは寝具の横の椅子から動こうとせず、ミスタとフーゴがやれやれ、と呆れた。
「お前の気持ちも分かるぜ、ジョルノ。でもな、ボスに倒れられたら下は慌てるしそれを聞いた周りのチームも好機だとばかりに動く。要するに負の連鎖だ。わかるだろ?」
「……すみません」
「明日で構いませんので、溜まりに溜まった書類を片付けて下さい。もう用件ごとに分けてはいますから」
「ありがとうございます、フーゴ」
ジョルノはそう言い、また、眠りにつくシャルに目線を落とした。
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するめ - 恥パは一応公式の小説みたいですよ! (2021年4月3日 18時) (レス) id: 50fbe8b344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2019年4月8日 0時