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urt side

「…あのな、今日のライブ無くなったんだ。」
「どういうことですか…?」

実はさっきマネージャーから電話があった。
爆破予告があったらしく、緊急中止となったらしい。

胡珀は上半身だけ起き上がらせた。

「じゃあ…うらたさんは、いてくれますか?」
「え…?」
「私と、一緒にいててくれますか?」

熱だからか目を涙目にして俺を見つめる(胡珀)。

「私、熱は嫌いじゃないんです。」
「どういうこと?」

胡珀のベットに腰掛けて、彼女の話に耳を傾けた。

「私には、お父さんとお母さんがいないんです。
どっちも事故で亡くなりました。」

衝撃的だった。
俺よりも1つ年下なのに。両親がいない人がこんな近くにいたなんて。

「私達を迎えに行く途中だったんです。」

何か思い出すみたいに目を閉じた胡珀。

「それはほんとに小さい頃のことです。だから、両親の顔もはっきり覚えているかと聞かれたらそこまで覚えてるわけじゃないです。
でも私、熱を出してしまった時、お母さんに看病されて優しくしてもらったことが、今でもずっと覚えています。」

するとこっちを見て、へらりと笑う。

「だから、私、うらたさんに撫でられるのも、看病されるのも嫌いじゃないです。お母さんみたいで、大好きです。」

その時俺は何を思ったのか、胡珀を抱きしめた。
胡珀は抵抗しなかった。

「大丈夫。俺がいてやる。」

その言葉に、胡珀はひどく安心したのかありがとうございます、と言って背中に手を回してくれた。

「うらたさんは優しいです。

まるで亜季を見てるみたいに。」


俺の首筋に温かいものが触れた。

大切な話→←42話 優しさ



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朧月天音(プロフ) - ねねさん» ありがとうございます!これからもがんばりますね。 (2021年2月1日 23時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 朧月天音さん» いえいえ!この作品とても面白くて大好きです!これからも応援してます! (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - ねねさん» わわ、その通りです!速攻で直しました。ありがとうございます。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 失礼だったらごめんなさい28話のところ体温28度じゃなくて38だと思います。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - 猫築かなめさん» わぁぁ!好きです((唐突すぎるわ。     ありがとうございます!うらたさんはですねぇ…次の次くらいに登場します!読んでくださりありがとうございます。本当に! (2021年1月23日 21時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年7月25日 21時

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