18話 喧嘩 ページ19
胡珀side
「嫌い。…いつまでもそうやってウジウジしてる胡珀は…大っ嫌い！」
その言葉が、夢の中で亜季が言った言葉と重なる。
『私の大好きな胡珀に戻って。』
ご飯を沈む気分で用意し、自分の分は食べずにソファに座った。
三角座りで顔を埋め、考える。
「…わたしが…わるかったんだ。」
2人の言う通り私は、逃げてばっかりだ。
心の傷が癒えてないからと、何度も何度も…あの場所に立つことを諦めた。
…いや、挑戦しようともしなかった。
そればかりか私は応援する側に逃げた。
自分は…卑怯で、臆病者だ。
昔の自分は、トップに立つために…頑張ってたのに。ファンの皆の期待に応えたくて、一生懸命だったのに。
何度も何度も転んだけど、その都度立ち上がってきたのに。
今の私は…空っぽだ。
何もすることがなくて逃げてる。
当たり前だ。あの2人が怒って当然だ。
今まで怒ってなかったのが不思議なくらいだ。
その時、床がミシリ、と音を立てた。
誰かが向かってくるのが分かる。
見えた高い背にトパーズ色の髪。
「…あ、センラ…さん。」
「…‼ どしたん？その目。」
目の辺りをさわれば涙が触れた。
「…す、すみません…！
これは…その…」
センラさんが手を伸ばし、頭を撫でてくれた。
それに安心し、涙がとめどなく溢れ出す。
「私、謝らなきゃ…ならないんです…。栄香に…」
涙がポタポタと自分の手の甲に落ちる。
ぎゅ、と拳を握った。
「私が…逃げてばかりだから…」
決心して立ち上がり、栄香の部屋へ向かおうとして振り向く。
「あの、ありがとうございます。
朝ごはん。もしよろしければ食べてください。」
微笑みかけてあらかじめ聞いておいた栄香の部屋へ向かった。
向き合おう。
栄香に。自分に。
過去は過去。起こったことは変えられない。
だからこそ、今、何ができるかにかかってるんだ。
「亜季。私もう逃げないよ。」
そして、栄香の部屋のドアをノックした。
*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:* ･゜ﾟ･*:.｡. .｡.:* ･゜ﾟ･*
「うわ…うまそ。」
そう呟いて、センラは椅子に座った。
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朧月天音(プロフ) - ねねさん» ありがとうございます！これからもがんばりますね。 (2021年2月1日 23時) (
レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 朧月天音さん» いえいえ！この作品とても面白くて大好きです！これからも応援してます！ (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - ねねさん» わわ、その通りです！速攻で直しました。ありがとうございます。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 失礼だったらごめんなさい28話のところ体温28度じゃなくて38だと思います。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - 猫築かなめさん» わぁぁ！好きです((唐突すぎるわ。 ありがとうございます！うらたさんはですねぇ…次の次くらいに登場します！読んでくださりありがとうございます。本当に！ (2021年1月23日 21時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 天音 | 作成日時：2020年7月25日 21時
