十二輪目 ページ12
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乱歩さんは、私を見下ろす
その瞳は、私を睨み付けているようで
それなのに泣きそうに見えた
必死に歯をくいしばっている様に見えた
『‥‥冗談はよしてくださいよ乱歩さん!
分かった! 何か欲しいんですね?
なんですか?駄菓子です「A!!!」
聞いたことのない大声だった
そして、僅かに掠れていた
「A」
目の前の名探偵は泣いていた
『乱歩、さん』
「A、太宰は、もういない」
「もう‥‥‥いない」
何かが壊れる音がした
無意識に、何かが頬をつたった
____
__
Aが泣いた
泣かせたのは僕だ
僕が、突きつけた
『‥‥‥』
Aに向かって手を伸ばした
涙で汚れた眼鏡をとった
Aは抵抗しなかった
彼女の肩が震えていたので
使い古された、彼女の真っ赤なカーディガンを肩にかけた
Aは何も言わなかった
うつむいていた彼女が顔をあげる
泣き濡れた瞳だった
『うそ‥‥うそです』
「うそじゃない」
『うそです!』
「うそじゃないって言ってるだろ!!」
僕は叫んだ
叫んで、Aの絶望した顔を見ていた
『‥‥だって』
震えた声が鼓膜をゆらす
『だって太宰さんは、私と約束したんです』
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りんず(プロフ) - ザクロさん» ザクロちゃんだー!ありがとー!褒められると私は天狗になるのでちょっと鼻をへし折って来ます (2018年8月27日 3時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - わっ.......凄い!なんか....その.....凄い!((((語彙力 (2018年8月27日 3時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 水月*さん» わあ!知り合いがいっぱい?来てる!そう言ってもらえると嬉しい!ありがとうー!頑張って作った甲斐があったな‥‥ふぅ。 (2018年8月11日 11時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
水月*(プロフ) - りんずっちゃん!?え、誰のとも知らず呼んでないた。個人的にし んで欲しい。aルートがすき!!りんずっちゃん天才!! (2018年8月11日 4時) (レス) id: c283ad66e4 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - りんずパイセンの文才が溢れ出す…ちなみにいくつか相談あるんよ←ボード来てもらってええ? (2018年8月10日 1時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2018年8月5日 18時