princess 3 【M】 ページ7
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「…んっ」
いきり立つ私をやや強引に寄せて、俊くんが袖口で軽く鼻を拭ってくれる。
「可愛い」
あーぁ
マイコ
ポイってされちゃった…
鼻周りがスッキリした私は、ぎゅーって俊くんの腰に抱きついて、シャツの裾から背中へ手を忍ばせた。
俊くんのほにゃんとした滑らかな肌。
あー、すべすべ
あったかいなぁ……
ねぇ俊くん、
人間の女って…やっぱりよくない？
「嫌な思いさせちゃってごめんね？俺さぁ、Aのことすごーく大切だよ？」
「……マイコよりも？」
「当たり前だろ？本当はAのことをガラスケースに入れておきたいくらいなんだから」
そう言って、優しく私の前髪を透く。
わずかに触れる指先から感じる体温と、穏やかな視線にじんわり溶かされる。
あぁ……、
俊くんのこと好きだなぁって
すごくすごく好きだなぁって
今すぐにでも
とろけてしまいそうなんだけど……
………………ガラスケース？
「なんか違ーう！！！！」
まだ少しいじけ虫。
上目使いで俊くんを見上げれば
「ちがうかな？」なんて呑気に尋ねてくるし！
けど
まぁ……
いっか
ぎゅって、
触れ合う肌がすごく温かいから。
「A」
「ん？」
「ちゅーしてもいいですか？」
「んー…、どうしよっかなぁー」
「Aが俺のお姫さまだよ？」
「じゃあ…、マイコは？」
ただのフィギュアでしょう？
「ん〜…………、」
思ったより時間がかかった俊くんの答えは…
「妹？かな…」
い…………、いもうと！！！？？
おいおいおい
結構近いじゃねーかっ！！！！！
俊くんの足もとに転がる憎っくきライバルが
微かに笑ったような気がした。
くそーーーーー！
次回こそは圧勝してやるんだから！！！
「んぐっっ、」
俊くんの首に両腕を回し
びっくりするくらいの強さで
濃厚に唇を押し当てた。
俊くんのこと大好きな
生身の女の強みを
今夜はじっくり味あわせてあげるから
覚悟しててね？
.
【end】
passionate gaze 1【Y】→←princess 2 【M】
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作者名：ななは | 作成日時：2018年7月28日 1時
