検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:44,469 hit

pure knight 6【S】 ページ17

.






「い…、衣、食、住!?」






まさか……、

お裁縫のカルチャースクールは"衣"のため!?







「……養うから。俺がAを、ちゃんと養うから」







相変わらず綺麗な肌。

健ちゃんの大きな瞳は真っ赤になっている。








「だから俺と、結婚しよう?」








大いなる脱力感と、それを凌駕するほどの愛おしさ。





いつ、何がどうなってそうなったのか、皆目見当もつかないけれど、

いつの間にか私は、このヘタレな幼なじみを、こんなにも大好きになっていたんだ。







「もぉ…、バカじゃないの?」






純粋で、真っ直ぐで、

何事にも一生懸命なとこ、


世界でいちばん男らしいよ







初めて抱きしめられた胸の中は、すごく優しくて、頼もしかった。









「あーーーー、やっと触れたぁ。小三以来だぁー」


「あぁ、あの肝試しで健ちゃんがびびって抱きついてきたときね」







あ、しまった


こんなこと言ったら…







「ごめんA、俺、夏祭り巡業のついでにお寺の住職に…」


「いーからっ!!!大丈夫だから!!!」


「あっ、じゃあ俺が幽霊になればいいんだ!そうすればみんな友だちだし怖くないよね」


「でもそれじゃあ健ちゃん死んでるじゃん」


「あぁ、それはダメだ。触れないのはダメ」








すると私の顎をクイっと優しく持ち上げてにっこりと笑い、軽く、触れるだけのキスをした。

恥ずかしさと緊張で硬直する私を抱き寄せると、耳元で甘く甘く囁くの。





"幽霊になっちゃったらキスできないもんね"





あまりにカッコつけたように言うから

思わず笑っちゃったじゃん









.








「ねぇA、やっぱりこの漫画、何回読んでも泣けるね」





グズグズと相変わらず涙ぐむ健ちゃんに、「そうだね」なんて返す私も

少しは女の子らしくなれたかな?







「てか健ちゃん、最後にひとつだけ聞いてもいい?」


「何?」


「フェンシングは何?それも身体つくるため?」


「ううん、こういう場面に遭遇したときに有効かなって」






ドヤ顔で見せてきたのは、漫画の冒頭、猛犬に小枝を振りかざすチビナイト、ケンちゃん。







「ふふっ、大丈夫だよ、また私が助けてあげる」






私のヘタレな幼なじみは、脱ヘタレを目指す、世界でいちばんピュアな人でした。






.




【end】

palm 1 【2】→←pure knight 5【S】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ , 横尾渉   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ななは | 作成日時:2018年7月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。