【2*黒バス】泣くな、笑え笑え。【虹村修造】

。冬の風 ページ15

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初冬といえど、やっぱり夜は少し寒くて。
バスケの後の風は、涼しいような、涼しすぎるような。

もうあっという間に、マフラーがいる時期になるんだろうなあ、なんて先のことを考えたり。



「肉まんね。じゃあ私もなんか買おうかなー」


美味しいものを求め、デザートコーナーに足を進める。


プリン、ヨーグルト、プチケーキ、フルーツ詰め合わせ。
豪華なものはそれなりに値段が値段だけれど、胃も心も潤うのなら構わない。よし買おう。



きらきらしていて、今にも「美味しいよ！」と言い出しそうなフルーツタルトを手に持ち、漫画コーナーにいるであろう修造のもとへ。
案の定、修造はそこにいて国民的人気を誇る未来からきた某ロボットの漫画を読んでいた。




「修造」



声をかけると、修造は振り向いて「はえーよ」と言った。
子どもか、とツッコミそうになったけれど、私もまだまだ子どもだった。
よく、修造とバスケ部三年たちと『精神年齢は誰が一番低いか』という話をするけれど、一番低いのはイタズラ好きの修造だと思う。“凶悪顔(笑)”ってイメージも強いけど。


後輩たちの前では先輩面して、私の前でも大人ぶって、でも、好きなことになると急に歳相応になって、という明らかに“早く大人になりたい子ども”にしか見えねぇ。(by,バスケ部一軍三年一同)




名残惜しそうに漫画を見つめ、レジ横のあったかコーナーへと移動。


あんまんがいいか、カレーまんがいいか......とぶつぶつ呟いていると、
「まだ食うのかよ....」と、修造が斜め上で呆れ顔。




「デザートは家、あったかい系は冷めちゃうから帰り道ー！」



このコンビニから家までそう遠くはない。..だけど、



グラデーションがかった空を見て、早々と顔を出すお月様を見て、あったかいものを頬張って帰るいつもの道が好きだから。



時間の流れは一定のはずなのに、何故かその時だけ、魔法がかかったみたいにゆっくりしていて、早いから。





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