episode２３ ページ48
俺は一歩、また一歩と和真の席に近付くと、他の生徒達は俺を目で追う。
時間をかけて和真の席へ行き、足を止めた俺は上から和真を見下ろした。
白布「……学校、来たんだ」
『………うん、来たよ』
白布「連絡くらい…よこせよ」
『……ごめん。賢二郎、怒ってると思って連絡するのビビった』
白布「怒ってるに決まってんだろ。あんな勝手なことして」
『ごめん……でも俺、気持ちは変わってない。やっぱりバスケは辞め…』
俺から目を逸らして下げ、言いづらそうに眉を寄せる和真。
俺は和真の顔を見つめては、机の上に右手を添え、背中を丸めて屈んだ。
目線を下げて言いづらそうにボソボソと喋る和真の顔を覗き込めば、和真は話を途中で止めて俺を見る。
ぱちん、と俺達の目線が重なり合えば、俺は目を細めて小さく笑みを浮かべた。
和真が学校に来てくれた。
制服を着て、学校に来てくれた。
今日はスポーツバッグじゃなくて、学校指定の鞄を持って登校したみたいだけど。
それでも、今日、学校に来てくれて、本当に嬉しかった。
目を細めて小さく笑みを浮かべる俺の顔を、和真は頬を赤く染めて見つめる。
俺の笑った顔を滅多に見ない生徒達も、俺の顔を見ては驚いたように目を開いたり、キュンと胸をときめかせる生徒もいた。
『け……賢二郎…』
白布「……会いたかった、和真」
『…ッ！！！』
俺が「会いたかった」と言えば、和真はぶわああ！と顔を真っ赤に染めて肩を跳ねさせる。
目を大きく開き、顔を真っ赤に染めながら体を硬直させる和真を見ては、俺は左手を和真の頭に添えた。
もう俺の視界には、周りの生徒達なんて見えていない。
俺の瞳には、和真しか映っていなかった。
俺は和真の頭に添えた手で髪の毛をくしゃりと掴むと、そのまま顔を寄せていく。
「ぁ…」と短く声を漏らした和真は近付く俺の顔に気付くと、反射的に瞼をぎゅっと閉じた。
俺から顔を近付けられ、和真はきっとキスをされると思ったのだろう。
瞼を閉じたまま俺からのキスを待っている和真の顔を、至近距離でじっと見つめる。
てん、てん、てん、と俺達の間に沈黙が流れる。
なかなかキスをしてこない俺を不思議に思った和真はゆっくりと瞼を開いた。
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星 - 磯野さんの作品好きすぎて何回も何回も読んでます！更新楽しみに待ってます！ (7月3日 20時) (
レス) @page49 id: 9063271731 (このIDを非表示/違反報告)
尚(プロフ) - いつでもいい。待ってます。2人の幸せを繋いでください。 (6月26日 1時) (レス) @page49 id: 271ac13c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 磯野さんの作品大好きです！！白布くん推しなのでほんと最高です！！更新すごく楽しみですが磯野さんのペースで頑張ってください！ (2022年9月17日 20時) (レス) id: fc31c82ef2 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» こんにちは、彩都様！この度もコメントありがとうございます。いつも読んでくださりまして、とても嬉しいです！これからも宜しくお願い致します！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 続編，おめでとうございます！！これからの展開がとても気になります！磯野様のペースで更新してください！応援しています！(*´꒳`*) (2022年8月24日 20時) (レス) @page4 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2022年8月24日 20時
