STORY 最終話 ページ23
(男主side)
────喉の奥が見えてしまいそうなくらいに大きく口を開き、ふああ、と欠伸をする。
眠気が漂う頭のまま、もうすっかり慣れてしまった道を歩いていた。
普段から使っているイヤホンは家に忘れた。
跳ねた髪の毛をワックスで直そうと努力はしたけれど、今日は寝癖が頑固で直らなかった。
今日の夕方から雨が降ると天気予報でやっていたのに、うっかり傘を忘れてしまった。
スマホを充電して寝たはずなのに、きちんと充電器が刺さっていなかったのか、充電が満タンになっていない。
たった24%の充電で、今日一日をどう過ごせというんだ。
朝から災難続きの俺は、機嫌がものすごく悪い。
学校の近くの家に、大型犬を飼っている家がある。
毎朝俺に向かって吠えてくるその犬に、負けじと睨みを効かせては通り過ぎた。
眠いし、朝からついていないし、最悪だ。
『ダリィ』
そう呟き校門を潜ると、パタパタと足音が聞こえてくる。
右側へと顔を向けると、藤田が制服のズボンに両手を入れ、俺に似た大きな欠伸を零しながら俺の隣に並んだ。
「おす」
『おう』
「上手くいった？」
『え、あー…』
きっと、あの人との事を聞いているのだろう。
一昨日の花火大会の事を思い出した俺は、顔を赤らめながら縦に頭を振って頷いた。
そんな俺を見て藤田はニヤリと口角を上げると、フンと鼻を鳴らして笑った。
「キッモー」
『るせぇ』
すると、今度は左側からパタパタと足音が聞こえる。
左側に顔を向けると、久しぶりに眼鏡をかけた河野が走ってきた。
「おはよう」
『どうした、眼鏡復活か』
「コンタクト切れちゃって…」
やっぱり河野は眼鏡ではなくて、コンタクトの方が良い。
眼鏡をかけるとなんだか一気に老けて見えるし、せっかくの男前な顔も台無しになる。
『なんかお前、やっぱりダサくね？』
「眼鏡似合わねえ」
藤田と一緒に河野の顔を覗き込めば、河野は「えぇ…」と言いながら眉を八の字に垂らす。
そんな困り果てた河野を見て、俺と藤田は「ハハ」と声に出して笑った。
すると──
木兎「おい！！蒼井！！」
前方から声が聞こえて顔を向ければ、同じく制服姿の木兎と赤葦がいた。
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磯野(プロフ) - yu-kariさん» こんばんは。コメントありがとうございます。次のHQ小説の内容はまだ決まっていませんが、次回も読んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2018年10月29日 20時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - 、、、たまらん。(*´∀｀*)ﾎﾟｯ次回作楽しみ( ´Д｀)= (2018年10月29日 13時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄさん» おはようございます。コメントありがとうございます。最後まで読んで下さいまして誠にありがとうございます。これからも読者様方々におもしろいと思って頂ける作品を作っていこうと思いますので、よろしくお願いします！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄ(プロフ) - 最初から最後迄本当に楽しかったです！どちらのルートも応援していたのでとても胸がいっぱいです！ホントに素敵な作品をありがとうございます！！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 437cb76d7d (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - おっ、、、あっ、、、。、、、、、ぁぁぁぁあああ！、ぁぁぁぁあああ！最高ぉぉおおおお！最後まで神作ぅぅぅぅぅぅううう！ (2018年10月28日 2時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年10月21日 21時
