【ワールドトリガー】玉狛支部所属、弓士やってます。 2

83話 ページ35

＿＿＿＿死にゆくユーマの肉体を、

トリガーの内部に封印し、



それに代わる新しい体をトリオンで作って、

ユーマの命をつなぎとめた。



…"新たな体"を手に入れた遊真が目覚める。

目の前には、笑みを浮かべる父親がいる。



空閑「親父…」



＿＿＿＿そして、

すべての力を使い切った有吾は、



塵となって崩れて死んだ。



…その光景に、

遊真はただ目を見開くことしかできなかった。



＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿



男「息子を庇って死ぬとはな…」



上官の兵士であろうか。

数人の男性が、そこには集まっていた。



男「言いたくはないが、

ユーゴの方に生き残ってほしかった」



また、ある男は言う。



男「いや、まだ息子が受け継いだ

黒トリガーがある」



男「うむ、それをうまく使うしかなかろう」



…そして彼らは、遊真に告げた。



男「ユーゴの死はとても悲しいことだが、

我々は戦いを続けなければならない。



ここで戦いをやめるのは、

今までのユーゴの働きを無にする、

ということだ」



彼らは、声高らかに続ける。



男「我々と共にユーゴの仇を討とう!

ユーゴもきっとそれを望んでいる!」



＿＿＿＿彼らには知る由もなかった。



ユーマが黒トリガーと共に、

"嘘を見抜く"という有吾のサイドエフェクトを

受け継いでいたことを。



＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿



ヴィッターノ「ユーマ、もう戦わないの?」



イズカチャ「バカ! 戦えるわけないでしょ!

お父さんが亡くなったのよ⁉」



ライモンド「無理はするな、

今まで助けてもらっただけでも十分だ。



おまえに戦う義務はない」



ライモンド一家に諭され、遊真は考える。



空閑「………いや、



おれと親父で始めたことだ。

最後までやるよ」



…彼が下した決断は、

この国を、戦争の終結まで守ることだった。



＿＿＿＿それからおよそ三年の間。

ユーマは父親の代わりに戦い続けた。



その三年間が、ユーマを強くした。



粘り強い抵抗により敵国は侵攻を断念し、

後に講和によって戦争は終結した。



そう、戦争は味方の勝利に終わったのだ。



＿＿＿＿しかし、ユーマに達成感はなかった。



空閑「なにもやることがなくなったなー…」



城門の頂から荒野を臨む彼の隣で、

レプリカは彼に案を示した。



レプリカ『…有吾の故郷に行ってみないか?』

84話→←82話

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキートリガー

アステロイド

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す