おひさま色の世界 -mytm-

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まず、部屋だ。


俺のために空き部屋を一室貸してくれた。
だけど、その部屋というのが


壁には2次元美少女のポスターが
棚にはフィギュアと漫画が
ぎっしり詰まっていた。







『…何この部屋』
『狭いかもしれないけど、自由に使っていいから。あっフィギュアは高いのもあるからそのままにしといて。漫画はいくらでも読んでいいよ！』




ちょっと引いたけど、この人にとっては普通のことらしいから何も言えず俺はあのまま美少女達に囲まれて寝ている。







「ギャハハハ！なにそれうける！」

「落ち着かない」

「めっちゃ面白いじゃん！行ってみたい！」

「そんなの許されるわけ……」






今までの家なら考えられなかったことだけど、

もしかしたらあの家なら、

あの人なら……？







『たま、ご飯できたよー』

『テスト勉強大丈夫？わからないとこはどんどん聞いて！俺もわからないかもしれないけど！』

『新しいDVD買ったから一緒に見ない？』

『週末買い物行こっか』






いつのまにかあだ名で呼んできて

あたたかいご飯とお風呂を用意してくれて

笑顔で迎えてくれて

話してくれて。





家にいる時間が苦痛じゃないなんて初めてだ。



親戚とはいえみんな他人だし

邪魔者扱いされてきたから

なるべく家にいないようにしていたけど、




あの人は違うかもしれない。







「………今度、家の人に聞いてみる」

「そうして！超見てみたいわ！」







友達を家に呼びたいなんて


あの人じゃなかったら一生思うことなかったんだろうな。

終わり ログインすれば
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