おひさま色の世界 -mytm-

ずっと ページ4

「え、何その弁当。まさか、女子！？」



大げさな声が頭上から降ってきた。
顔をあげると、見慣れたおばか面。




「じょひにひてはぶきようだへ」


勝手に前の席に座って購買のサンドウィッチを頬張ってる。



「二階堂、口にもの入れたまんま喋るな。
あとこれは女子に貰ったんじゃない。」


女子というか成人男性。
居候元の家主は最近弁当まで作るようになった。
おかず詰めるのがまだ苦手っぽいけど
今まで弁当なんて作って貰ったことないから
あるだけでもありがたいって感じ。



「まぁー玉森に弁当届ける勇気ある女子なんていないか！！おまえ見た目で損してるよな〜」

「うるさい。おまえだってモテないだろ」

「見た目だけヤンキーの玉森よりはモテます〜〜」




学校での俺はこの身なりだし、女子だけでなく男子も、それから先生までにも敬遠されていた。
かまってくるのなんか、目の前の二階堂くらいなもの。




「新しい家の人に作ってもらってんの？」

「まぁ」

「いい人じゃん」


家の事情で住む家が転々とすること、
その家でどんな扱いだったかを知っているのもこいつぐらい。

だから弁当があるなんてほんと驚くべきことで。

あの人には感謝してる。



「オタクだけどな」

「は？」




ただ、一点を除いては！

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す