窮鼠、猫を噛んだ。

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ソゴウside

【ブーッブーッ】

ようぺへろう。お久しぶり。洋平。急で悪いんだけどさ、すずが今年から受験生でさ、勉強教えてって言われても英語しか教えらんないから、よかったらソゴウくんすずに社会おしえてやってもらえないかな、、?


珍しい人からの連絡。
今は移動中の車の中。
俺は基本ずっとスマホをいじってパワプロとかやってるから、すぐに通知に気づく。

すずって…
すずちゃんか。

そういえば最近セイヤはすずちゃんの話をめっきりしなくなったし、俺らがやるライブも、来ているようだし、「いきますね！」なんて連絡も来るけど、打ち上げには参加していない。
あの2人に何かあったに違いない。
こういう時の俺の感は結構当たるし、後で聞いてみよう。
それよりも…これをどうするか。
これは受けていいのだろうか。
俺が受けることによってまたあの時みたいにセイヤは怒ってしまうんじゃないだろうか。
俺は昔からあまり友達に心を開かないタイプで、友達も、広く浅く、とか、友達が多いとは決して言えず、むしろ、狭く深く、いつも同じようなメンツで固定して、そのメンバーにしか心は開かなかった。
セイヤもというか、キュウソメンバー自体もその1人。だからつまらない事で喧嘩をして離れて行くのは嫌だし、ここでバラバラになったら、俺はまた昔みたいに自分の殻に引きこもって何もできないだろう。

ソ「セイヤ？」

俺はとっさにセイヤにメールを見せ、「どう？」なんて言っていた。

セイヤは「なんでソゴウやねん！！」と言うと思ったが、意外にも、
セ「おぉ、いいんちゃう？教えてやれよ。」
と、返事が来た。

ソ「なんでまたそんなあっさり。珍しい。」

セ「いや、てかな、それ俺も教えることになってんねんて。」

拍子抜けというか、いままで考え込んできたことなんて全く無意味だった。そう思った瞬間、何故か心の中でセイヤを憎んでいた感情も、肩の力も一気に晴れた。

俺は洋平さんのLineをすぐさま返した。
勿論内容はOKの文。

いや…ちょっと待てよ

今俺、「セイヤを憎んだ」って。
自然に出た言葉だけどどういう事やねん。



……
…

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