お隣さんは、危険人物です。5th【国見英】

危険人物。130 ページ11

国見side



国見「……」



学校が終わり、部活がない今日。




家に帰ろうとすると、Aさんのうちの前で思わず足が止まった。




＿＿＿笑い声が、聞こえてきて。



…………Aさんの。




　








そういえば今日、開校記念日とかで休みなんだったっけ。



だから、友達とかが遊びに来ていてもおかしくない。



……そう、何もおかしく……ない。



なのにどうしてだろう。ものすごい胸騒ぎがして。




『徹も、やるときゃやるんだね』



国見「………徹…？」




突如聞こえてきたのは、Aさんの声で。




…………今、徹って言った？



徹って、及川さんのこと？



ダメだ、とわかっていながらも、ドアノブに手をかけると鍵がかかっていなくて。




……ダメだ、やめろ、俺。




そんなことしたって何にもならないから。




だけど…………どうしても気になって。




音をたてないように、そっとドアを開けて、部屋をのぞき込んだ。




　




　



及川「……それ、どういう意味？」



「いや、なんとなくー」



やっぱり、及川さんで。



Aさんの笑い声が、俺のところまで聞こえてきた。




国見「……っ」



……………帰るか。

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