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提案 ページ3

「んっ........」


少し息苦しくなって目が覚めた。


起き上がろうと思い躰を動かそうとすると何故か腰の辺にあるもののせいで起き上がることが出来なかった。


何かと思い自分の腰の方へ視線を向けると其れは人の腕だった。


腕の持主を確認しようとして躰の向きを変えた私の視界に飛び込んできたのは鮮やかな橙色の髪の毛。


双つの蒼と目が合った。


「よォ、やっと起きたか。」

「........如何して私は貴方と寝ているんですか。」


起き上がって躰を起こそうとすると腰に回った腕に力が込められ離れるどころかもっと近づいてしまった。


「え、ちょっと中也さん........」


あまり男性慣れしていない私には此の状況は非常に心臓に悪い。


意識していなくとも自分の顔に熱が集まるのが分かる。


「はッ、手前顔紅くなッてンぞ。」


そう云ってもっと顔を近づけてくる中也さんの頭を誰かが鷲掴みにした。


「ちょっと、私のAに触らないでくれる?」


声の主の方に顔を向けると何だか黒い笑顔を浮かべた太宰さんだった。


「あ、太宰さん。」


私が呟いた声を拾いとり、中也さんの頭から手を離すと少し強めの力で私を起こし姫抱きにした。


この動作にかかった時間は僅か数秒である。


何が起こったのか理解しようとしている間に二人の会話が続く。


「チッ、なんで此処に糞青鯖がいンだよ。俺の執務室だぞ。」

「別に、此処が君の部屋だろうと関係ないね。Aが此処に居るから迎えに来ただけさ。」

「如何してAが此処に居るって分かったンだよ。」

「如何してって、GPSを付けてるからに決まってるでしょ。」


そう云って太宰さんは私の方へ慈しむ様な眼差しを向けた。


え。GPSってあれだよね。付けてる人の居場所が分かるヤツ。え?私に付けてるの?


「ちょっと何処に付けてるんですか!?太宰さん!!」

「え〜、秘密。だってAに付けてる場所教えたら絶対外すでしょ?」

「当たり前ですよ!」

「じゃあ教えない。」

「はぁ!?」


もう此の人嫌い。何がしたいのか分からないし、言い合いをしている間も抱いている私を下ろす素振りは一切見せなかった。


そんな私の気持ちを察したのか中也さんが言葉を紡いだ。




「そんなに青鯖が嫌いなら俺の部下になるか?」

確認→←慈しむ



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安蒜 佑(プロフ) - 滅茶苦茶面白くて、一気読みしてしまいました!私もこんな風に上手く書けるようになりたい・・・続きも楽しみにしてます! (2020年7月30日 11時) (レス) id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ミレーさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!!もう新しい年になりましたがこれからも頑張ります!!もっといっぱい更新したい)))) (2020年1月24日 23時) (レス) id: 8e6078eb4d (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - wakameさん» お返事ありがとうございます(〃ω〃) 中也様女の子に優しくしないと、嫌われちゃいますよ(*TーT)b 今年も後少しですね、来年も頑張って下さい(●^o^●) (2019年12月26日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ミレーさん» あれは絶対痛いですよね.......。主人公ちゃんの今後の態度によりますね(´-ι_-`) (2019年12月25日 1時) (レス) id: 8e6078eb4d (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様に頭を拳骨されました(*TーT)b もう少し優しくして下さい(〃ω〃) (2019年12月23日 20時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:wakame | 作成日時:2019年5月29日 18時

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