それはやっぱり君でした【にのあい】 (ページ8)

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女ページ8

お昼過ぎ。

この間の商談の契約を無事済ませ会社に戻ってくるとエレベーター前で息を切らせた雅紀が駆け寄ってきた。

雅紀：「やっと会えた！」

A：「え？」

雅紀：「ここ最近入れ違いで全然会えなかったじゃん。」

A：「そうだっけ？」

そう言えばシェアハウスのこと言うの忘れてた。

A：「ほら例のTearaの契約でバタバタしてたから…。どうだった？シェアハウスのこと。彼女と話した？」

雅紀：「ランチでも食べながら話そうよ。俺今戻ってきて…なんも食べてない。Aはお昼は？」

A：「あー…軽く済ませようかと思ってたけど、いいよ。表のカフェ行く？」

雅紀：「ん！行く行く！」

2人並んで会社を出ようとしたら同僚の女の子らとすれ違う。

「あれ？2人仲良くランチ？」「相変わらず仲良しだねー」なんてからかわれながら。

社内では私達が付き合ってる、なんて噂がチラホラ流れてるらしいけど。

雅紀：「おかげさまでー。」

それもこれも雅紀が否定しないからだ。

A：「…だから否定しろって…」

同僚が見えなくなってからそう隣でボヤくと、雅紀は「面倒臭いじゃん。」って。

A：「…あんたねぇ…変な噂が流れて困るのは自分だよ？」

雅紀：「Aとなら大歓迎だよ♫」

そう言ってニコッと屈託無く笑う。

ふとカズの、『彼女いたって手を出す奴は出すんだよ』なんて言葉が脳裏に浮かぶ。

雅紀に限っては絶対ないだろうなぁ。

そもそもこいつは私を女だとは思ってない。