素晴らしき嘘3 (ページ3)

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和也は起き上がると、両手を広げた。

和也：「こっちおいで。」

A：「え、ヤダよ。」

和也：「なんでだよ。」

A：「気をもたせちゃダメなんでしょ。」

和也：「いい。今は許す。」

A：「はぁ？」

和也はまどろっこしそうにグイッと私の腕を引っ張ると、自分の胸に引き寄せた。

A：「ちょ………っ」

頭上で和也の溜息混じりの声。

和也：「マジ、同じ屋根の下で手出せないのって地獄…」

A：「………。」

男の事情ってイマイチ分かんないんだけど、そーなのかな、そーゆうもんか。

和也：「ムカつくし、すっげー嫌だけど、」

A：「うん？」

和也：「あのおっさんに住まわせてみる？」

A：「えっ！」

見上げると和也はすごい機嫌悪そうな顔してる。

すごい嫌そう。

A：「和也、いいの？」

和也：「嫌だよ。」

A：「どっちなのよ。」

和也：「嫌だよ、嫌だけど。その方が俺も自制できるし、あいつに負けたくないから頑張れそう？」

言って言った後に後悔してる顔。

和也：「翔ちゃん呼んでもいいけど、翔ちゃんだと別に自制しなくても目の前でイチャついちゃいそう？」

自問自答。

どっちなのよ。