純白の死神 ページ39
Asied
こうして、私は何人もの人の命を刈り取り、その上に生きている
ある時、芥川は私に聞いた
「なぁA。僕らは沢山の奴を殺した。悪いことなのか?」
此の時の私には、自分で殺したという自覚がなかった
只、見殺しにしているだけだと信じていた
でも、言われて気づいたんだ
というか、本当は何処かでわかっていたんだ
私達が殺したんだと_
『うん。確かに私達は沢山の人を殺した。でもね、奴らは、そうされて当然の事をやっていたんだ。だから、私達は悪くない。生きる為には仕方がない。』
私はそう言った
「「生きる為には」か...じゃあ今、僕がAを生きるために襲い、食らったら、それは、生きるためには仕方がないのか?」
『うん!別に私は抵抗しないし、怒らない。むしろ、芥川に食べられるなら幸せだよ!!』
とびきりの笑顔で言うと、芥川は不思議そうにこちらを見て、僅かに微笑んだ。
「変わった奴だな、お前は」
芥川にだって、ちゃんと感情はある
私には見えるよ。芥川の感情
そう言った時点で、私は異常だったんだろう
その後も殺戮を繰り返し、しかし、幾度も光の世界に助けを求めた
だが、光の世界の人々は冷たい
『助けて下さい...水...くだ..おね......します......』
「......」
「かわいそうにね」
「ば、化け物っ!」
無言で過ぎ去るもの
同情するだけして、何もしないもの
怖がって逃げるもの......
声を聞くたび身が焼けるほど痛かった
心に刀を刺されたような気持ちになる
『こんな世界、滅べばいいのに』
『芥川と私の邪魔をし、不幸にするものなんて消えてしまえばいいな〜』
いつかの私が、何の悪びれもなく、何となく呟いた言葉
噂は一気に広まる
いつしか私の通り名は数多く存在し、貧民街時代、最後の通り名は...
「純白の死神」だった
〈現在〉
『どう?此が私の過去。私がそっちの世界に行けないのは、鎖があるから。自分で、自分を守るために、此方から出られないように鎖を付けているから。』
「何で......」
『今のでわかったでしょう?私は、根本的な考えと才能が違う。平気で人を殺せる。更に、それを正当化し、自分がその状況下になっても受け入れる。そんな私がそちらに助けを求めたとき、そちらは何もしなかった。だからだよ。』
「...わからない。君がそんなに自分を縛る理由が...」
嘘...一番知っている癖に......
『わからないなら、示すだけ』
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赤峰和華(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!続編に行ったので、どうぞそちらでもよろしくお願いします! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 7df9df7e82 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 初めまして、こんばんは! とっても素敵なお話で凄く大好きです。 更新を楽しみに待ってます! (2018年5月20日 22時) (レス) id: c491a96770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤峰和華 | 作成日時:2018年4月5日 1時