光に焼かれて ページ38
Asied
それだけなら......
『それだけじゃなかった...貧民街の子供は狙われやすい。色んな所から手が伸びてくる。そんな時期の話をしよう...』
私はあの時を思い出した
時は貧民街時代
私達は今日も、敵の襲撃を受けていた
「おい、此の餓鬼連れて行け。そこのもだ」
「や、やめろ!」
「離してよ!!」
仲間達が襲われている、私と芥川は食べ物を探して帰ってきた所だった
「やめろ。そいつらを離せ。」
「あぁ?何だ此の餓鬼!生意気な口利きやがってっ」
ガッ
芥川の羅生門が今喋った奴を刺す
『離さないなら...殺す』
周りの時が止まった様に睨んだ奴が動かなくなる
まだ何もしていない
私も、芥川も
「お、お前らまさか...」
私が睨まなかった一人が口を開く
「貧民街の感情を持たぬ「砲えぬ狂犬」と無慈悲な笑顔で殺し、目があっただけで動けなくなる「メデューサ」か?」
『そう呼ばれているようだね。噂は耳にするよ。』
私はとびきりの笑顔で言った
芥川が感情を持たないと言うなら、私は喜怒哀楽の喜と楽のみを持っていると言ったところか...
どちらかと言うと感情はないが、笑うことしか出来なかった
顔もわからぬ誰かに言われた気がしたんだ。「笑っていればなんとかなる。笑顔が幸福に導いてくれる。だから、どんなに辛いことがあっても笑っていろ。」
親の言葉か、否か。全然分からなかったが、それしか知らなかった私は、どんなときでも笑顔を張り付けていた
人を殺しても、自分が死にかけても、私は笑う
いつしかそんな私は、大人達に「無慈悲な笑顔の化け物」「色んな意味で穢れを知らない子」と噂された
私達を襲うものからは、殺気だけの一睨みで動きを封じられる。あの赤い瞳に映ったら、固まる。「メデューサ」と呼ばれた
そんな私達は、今も尚、戦っている
『芥川、どうする?』
「殺す」
『ん。じゃあ殺るよ』
芥川の外套が黒獣に変化し、私は日向から白獣を出す。
敵の悉くを食らうその様子は、まさに死神が魂を奪うような優雅さをどこかに魅せる
一歩も動かずに獲物を刈り取る
美しく舞う穢れを知らない獣達
私は、その光景にいつも魅了されていた
こんなにも人の命を刈り取っているのに、私はまだ、直接この手で殺したことは一度もない
確かに私は、色んな意味で穢れを知らないのかも知れない
敵が一瞬にして散りまた平和が訪れる
貧民街なりの平和が
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赤峰和華(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!続編に行ったので、どうぞそちらでもよろしくお願いします! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 7df9df7e82 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 初めまして、こんばんは! とっても素敵なお話で凄く大好きです。 更新を楽しみに待ってます! (2018年5月20日 22時) (レス) id: c491a96770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤峰和華 | 作成日時:2018年4月5日 1時