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番外編〜呼び方の矯正〜 ページ21

Asied


中也さんは何でもお見通しだ


私は見た


中也さんの顔が歪んだのを


あれは悲しんでいるのか、苦しんでいるのか...


どちらにせよ兄さんは許せない





ーーーーー私からーーーーーーーーーーーーーーーーーーー兄を消してくださいーーーーーー



そういうと中也さんは少し驚いた顔をしてこう言った





「Aの頼みなら聞いてやる」








私が泣き止むと中也さんの口が開いた


「なんか食うか?」


へ?


多分今の私はこれ以上ないくらいのポカーンとした阿呆頭らだろう


「泣きつかれただろう?泣いた後は腹が減るもんだ」


そう言って微笑む中也さんは凄く美しかった


此の状況でなに考えてるんだろうと思ったが、その顔が脳裏に焼き付いた


此の美しい笑顔を守れるだろうか?


かつて壊すことしか出来ないと言われたこともあったが、私は...







ーーーーーー壊すことなくーーーーーーーーーーーーーーーーーー守れるだろうかーーーーー




『有り難うございます。私も手伝います。』


「手前は座ってろ」


『手伝わせてください』


「客人にやらせる趣味はねぇ。大人しく座っとけ」


私は言いくるめられた


これから私はどうする?


家にも帰りたくない


兄の事だから私を探して来る





「出来たぞー」


『今行きます。』


食卓に並んでいたのは、オムライスだった


『頂きます。』


『モグモグ...っ!!美味しい』


信じられないぐらい美味しかった


涙が出るほどに


人が作った料理は久しぶりだった


家ではいつも自分で作ってるから


「そんなにうまいかよ!」


中也さんは私の涙を手で拭ってくれてから笑顔で言った


「そんなに美味しそうに食べてもらえるんなら、作りがいがあるな」





私はあっという間に食べ終わった





「これから、どうすんだよ」



『えっと...』



「行く宛てねぇなら此処にいろよ」



『ふぇ?』


つい、変な声が出てしまった


此処に...いてもいいのか?


『居てもいいんですか?』


「まぁ、お前さえ良ければだがな。あの青鯖のことだ、きっとお前を探してくる。此処なら青鯖も来たくねぇだろ。」


やっぱり全部お見通しなんだ、この人は



『有り難うございます!中也さん!』


「その呼び方」


ん?


「中也さんって呼び方止めろ」


『あっ!』


気付かなかった。中也っていつも通り呼べばいいんだよね?


なんか意識すると難しい


『中也!』


「良くできました」

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作者名:赤峰和華 | 作成日時:2018年3月25日 21時

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