はい上官（軍パロ）・４ ページ4
故郷に近いこの拠点で過ごし出して三日も経てば、ゾムの噂など耳に入ってくるものである。
曰く、女誑し。
曰く、食害。
曰く、こいつァやばい。
最後のはいまいち具体的ではないがAはなんとなく悟って死んだ目になった。そうですねわかります。士官学校で凄まじく無茶な作戦を立てられて、何度死にかかったかわからない。
士官学校とはいえ仮にも学校だろ？ と尋ねてくるかもしれない一般兵、あるいは市民の皆さんの方にお答えしよう。
……残念なことに、実地訓練があったのですよ。
落とし穴やらトラバサミやら原始的ではあるが凄まじく効果のある罠を至る所に仕掛けて、かと思えば目元ピンポイントを狙った唐辛子入りの液体を振りまいたり気化したガソリンを砦の中に吹き込ませたり――なお味方が忍び込んでいる最中である――何をするかって言ったらまあ爆発ですよね！
ﾋｬｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！
ふっざけんなゾムー！
みたいな。
まあわりとありましたね。
懐かしいですね。
……いや懐かしいとかじゃなくて、それ、味方最大の脅威なのでは？
降格させられて前線に飛ばされている最中、士官学校という場所について聞きたがった一般兵に、この思い出話をしみじみとした調子で語った際の反応である。そうですね当たり前ですね。
ちなみにゾムなどと同じ班に配属された班員――というかぶっちゃけ同期全員がその破天荒さには慣れていたので、何かをやらかそうとしていたらまず何が何でも速やかにゾムの方へ逃げるという行為が徹底されていた。彼、さすがに自分の最低限の身の安全は確保していた。
なお強調するが、本当に最低限しか確保していないのでたまにそれでも巻き込まれることもあった、とは言っておこう。
マジで味方最大の脅威ですね。ていうか味方最強の脅威以外のなにものでもありませんね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弥兎。(プロフ) - 文の構成だったり、心情表現だったり、全てが好みで読みやすいです。『はい上官』が特に気に入ってます。これからも活動頑張って下さい、影ながら応援させていただきます！ (2019年10月1日 17時) (
レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
スギ花粉(プロフ) - 初めまして、こんにちは。 「配信中に〜」のスピンオフ番外目当てで読み始めたのですが、それ以外の作品もとても素敵で気付いたら全部に目を通していました。「そんな夢を見ました」が特に好きです。 素敵な作品をありがとうございます、これからも応援しています。 (2019年8月25日 19時) (レス) id: c38b9cd639 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
