花びら176枚目 ページ26
Aside
「…」
いつからか分からないけど、気付いたら私は暗い闇の中を彷徨っていた。
服装は撃たれた時と同じ白いシャツにスーツの黒いスラックス、そして唯一違うのは裸足だった。
闇の中を歩いているつもりなのに、冷たくはないけどなんだか足の裏が濡れて、歩く度に水の上を歩いてるような感覚だった。
私は何処に居るのか。
そもそも、ここは何処なのか。
…私は、あの世に来てしまったのか。
温もりも冷たさも感じられないこの世界は生きてる心地がしない。
私の最後の記憶は、私のお世話係の人を庇ってお腹辺りに銃弾を受けた所だ。
その時のお世話係の人の顔が、悔しさと悲しみが混ざったような顔をして涙を流していた事はきっと忘れないだろう。
ただ、この暗闇の中に入る前に思った事があった。
皆との約束を、果たせないままこの世から居なくなるのは嫌だと。
皆に会えないまま、消えてしまうのは嫌だと。
どれだけ私の中で皆が大きな存在になっていたのか、今回で分かった気がする。
待ってる皆の為にも、私は戻らないといけない。
ただ、どうやってこの暗闇から抜け出せば良いのか分からない。
周りを見渡してもどこもかしこも暗闇で、ドクドクと耳元で聞こえて、冷や汗が流れる感覚がする。
落ち着くように、目を閉じるようにしてみる。
すると、激しい痛みと熱が私を襲った。
グッと耐えていると、手が何か温かい物に包まれる。
この温もりを、私は知っている。
？？「〜〜…！！」
誰かが私の名前を呼ぶ。
その声も聞き覚えがある。
何も感じなかったこの空間が、その声を聞いただけでポカポカと温まるような気がした。
目を少し開けてみると、私の目の前は暗闇が広がっているはずなのに足元には私の影が伸びていた。
…その影は私の影だけじゃなくて、7人の影も伸びていた。
誰かと誰かは私の手を握っていて、5人は後ろで見守っているような影が伸びていた。
その影を見つめていると不意に前から人の気配がした。
顔を上げると…。
「おかあ、さん…？」
所々に闇を纏っているが、小さい頃に別れを母が居た。
母はこっちに来るように手招きをしているけど、私は心に決めている。
「ごめん、行かなきゃ…幻影でも会えて嬉しかったよ」
そっと微笑んで、後ろを向く。
温かい光に手を伸ばすと光に包まれる。
BTS「A…っ！！」
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秋桜(プロフ) - あんこさん» 一気に拝見して頂き、ありがとうございます！スランプで何も思いつかないなりに更新頑張りますので、引き続き応援して頂けると嬉しいです！ (11月10日 11時) (
レス) id: 64510454d7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 面白すぎて一気に拝見してしまいました(笑)めちゃくちゃ好きな話なので更新楽しみにしてます♪ (10月29日 1時) (レス) id: 055ca00aac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋桜 | 作成日時：2022年11月13日 23時
