わがまま王子 05 ページ5
「誰に向かって口聞いてんだよ!」
そう言って
藤ヶ谷の顔を
ギロっと睨むと
「……申し訳ございません。」
いつもの藤ヶ谷の
すごく綺麗な顔、なんだけど
なんだか、
とても
つらくて
悲しくて
今にも壊れそうだ、って
そんな顔してたから
「………………。」
藤ヶ谷の手をぱっと払い除けて
何も言い返さず
部屋に戻った。
ごめん、今日無理だわ。と業務連絡のようなLINEを送って、スマホの電源を切った。
ベッドに寝転がって
藤ヶ谷に掴まれた右手首を見つめる。
どくん、と
掴まれた部分が脈打った気がした。
左手でそっと撫でてみると
ちょっとだけ、あったかくて
藤ヶ谷の熱、だ
と思った。
あんな召使い、出ていけ
と、普段の俺なら思うのに
なぜか、藤ヶ谷だけは
追い出せない
追い出したくない
そう思ってしまうようになった。
130人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぇりリン | 作成日時:2017年10月15日 4時