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07-一番好きなケーキ ページ7

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いつの間にか復活していた悟さんが「このショートケーキがオススメだよ」と2人に勧める。そのショートケーキはもちろん、私が作ったものだ。





「僕が一番好きなケーキなんだ」





宝物を愛でるような、そんな優しい眼差しでケーキを見つめる、から。

じわじわと熱に体を侵食されていく。

目尻に溜まった涙を気づかれないようにそっと拭う。


自分が作ったケーキを最上級の言葉で褒められ、胸がいっぱいになった。まるで、告白されたような心地がした。





「んじゃ、それにするか。棘も?」

「しゃけ」

「わかった。じゃあ、ショートケーキ2つお願いします」





真希ちゃんから注文を受け、ハッと我に帰り、「かしこまりました」と慌てて業務に戻る。


真希ちゃんと棘くんがショートケーキを食べている側で、悟さんはちょくちょく絡みに行っては、2人(特に真希ちゃん)に嫌な顔をされていた。

……なんで悟さん、生徒からあんな扱いを受けてるんだろう。謎だ。


ケーキを食べ終えると、真希ちゃん達が先に「美味しかったですー」と帰って行った。私もいつもより気合の入った笑顔でお見送りできた。

そして1人になった悟さんがいつものように空になったトレイを持ってくる。





「いつもありがとうございます」

「……あの、さっき僕が言われたことは気にしないで欲しいんだけど」

「さっき?」





おずおずと控えめに告げられ、頭をフル回転して思い返してみるが、悟さんの言う“さっき”が全く分からない。んー、と悩んでいると悟さんが渋々と口を開いた。

なんだかイタズラしたのが親にバレた子供のような、そんな不安げな顔をしている。





「…………その、僕に奥さんがいるって……」

「ああ!悟さん既婚者だったんですね。でも、悟さんはかっこいいので奥さんがいるのも納得です」

「いや、だから、…………って!待って。今、悟さんって呼んだ?」

「あ、生徒さんが呼んでいたのでつい。勝手にすみません」

「いやいやいや!幾らでも呼んでいいから!!」

「は、ハイ……」

「ね、もう一回呼んで」

「悟さん?」





悟さんのテンションに置いてけぼりになり、首を傾げつつ言われるがままに名前を呼べば、彼は「えへへ」と無邪気に笑った。

その笑顔に見惚れてしまったのは、私だけの秘密だ。






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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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- ぱぅちさんの作品見たんですが今ハマってしまいました😁これからも他の作品を頑張ってください🙏👍 (11月4日 17時) (レス) @page37 id: 053afa639a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 最近呪術廻戦の夢小説にハマったのですが、このお話、めっちゃ好きです!!ありがとうございました!! (6月30日 17時) (レス) @page36 id: c2b1544657 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 良い感じにお互いがすれ違っていて凄く素敵なストーリー構成でした! 恋をした所の描写を丁寧に書く事で読む内にどんどん世界観に引き込まれていきました。とても綺麗なお話をありがとうございました! (2022年2月2日 23時) (レス) id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ふぅさん» 今作では五条さんの一生懸命な片思いを描けたかなと思います!笑 こちらこそ、最後までお読みくださりありがとうございました…!😭☺️ (2022年1月1日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ずっと柔らかい雰囲気でとても好きなお話です。次回作も楽しみにしています! (2021年12月23日 23時) (レス) @page37 id: 56676c275e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぅち | 作成日時:2021年7月31日 22時

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