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2人の間を沈黙が流れた｡
Aが先に口を開いた｡
｢ねえ、Aのこと、殺すの?｣
その声と肩は少し震えていた｡
ツナはゆっくりと首を横に振る｡
｢殺さないよ｣
｢お外に捨てる?｣
｢捨てないよ｣
｢ライオンさんの餌にするの?｣
｢それもしない｣
｢じゃあ｣
パッチリと視線が絡み合ったツナとA｡
Aは不安と恐怖で押し潰されそうな瞳をツナに向けていた｡
｢Aは、これからどうなるの……?｣
Aはじっとツナを見つめた｡
｢俺たちはAを保護したいと考えているんだけど、どう?｣
Aはパチパチと何度か瞬きをした｡
そして少し恥ずかしそうにツナに聞いた｡
｢ほごってなあに?｣
｢ごめん、ちょっと難しかったね｡Aと一緒にここで暮らしたいなって思ってるんだけど、Aはどう思う?｣
それを聞いて意味を理解したAは、口を開けたり閉じたりを繰り返す｡相当驚いているらしい｡
しばらくしてAが言ったのは、肯定でも否定でもはたまた保留でもなかった｡
｢Aのこと、邪魔じゃないの?｣
今度はツナが驚く番だった｡
ただツナが答えるより早く、Aが言葉を続けた｡
｢ママはAのこと、邪魔って言ってた｡Aがいるから、日本に帰れないって｡パパはあんまりお家にいなかったけど、やっぱり邪魔だって言ってたの｡それでも、Aと一緒でいいの?｣
｢君は邪魔なんかじゃないよ!｣
声を上げたツナにAは再びびくついた｡
それに気づいたツナはごめん、と謝って優しく言った｡
｢A次第だ｡どうしたい?｣
｢A、は｣
そこで言葉を切ると、Aは一気に顔を歪ませて泣き出した｡
ツナはぎょっとしてAに聞く｡
｢な、何で泣くの!?｣
｢お兄さん、優しい、から｡A、ここに、いたい｡お兄さんと、一緒がいい｣
嬉し泣きだったことに安心しながらも、ツナは本日2回目の抱っこをすることになったのであった｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
