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辰哉side
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だんだん分厚い雲に覆われてきたお昼過ぎ。
一旦、亮平と一緒に病院のカフェで昼ごはん。
ほっと一息ついて、また来た道を戻る。
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辰哉「改めて、見るとさ・・・。やっぱでかいよねこの病院。迷路みたい(笑)」
亮平「まあ、確かにね。色んな科があるし。設備とかも整ってるもんね。なんかドクターヘリとかあるらしいよ。」
この辺の大きい病院・有名な病院と言ったらここ。
地域の重症患者は大体ここに運ばれてくる。
まあ深澤家は、全員元気ピンピンだから、病院に行くことなんてほとんどないわけで。
逆にこう病院にほぼ毎日通っている自分がなんだか新鮮だった。
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病室に戻ると変わらず寝ているラウール。
辰哉「あっ!!爪切んなきゃ」
ということで看護師さんから爪切りを拝借。
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パチ
パチ
パチ
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寝ている人の爪を切るのって意外と難しい。
辰哉「おれ、身切っちゃいそう…」
亮平「ちょっとやめてよ。俺やろうか?」
辰哉「でも、その方が、痛って!!って目覚めるかもよ。」
亮平「馬鹿なこと言わないで(笑)」
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そんな会話をしていた時だった・・・。
ふと、手の中で何かが動く。
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ピクッ
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ラウールの右手
今、動いた?
辰哉「今!!!動いた!!!」
亮平「まじ?」
辰哉「ラウ?ラウ?聞こえる・・・?」
そこにはゆっくりと目を開けるラウールの姿があった。
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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時