君の百面相２ ページ2
『最初から見てたんなら、早く声を掛けてよ！』
恥ずかしい思いをしたと、○○は機嫌を損ねてフイッと顔を逸らしてしまった。
「アララ。今度は怒っちゃった？・・・おーい、○○ちーん？」
紫原は○○と視線を合わせようと顔を覗き込むも、##NAME1##には視線を合わせないようにと体をずらされて拒否されてしまう。そんな##NAME1##にフッと苦笑するも、紫原は楽しい気持ちだった。
「ごめんね、##NAME1##ちん。可愛かったから、つい・・・。お願い、こっち向いて？」
お菓子のような甘さがたっぷり含んだ声が聞こえたと同時に、優しく手首を掴まれて○○は引き寄せられるように紫原の腕の中へ。そして顔を上げると、身を屈めて顔を近付けた紫原に柔らかな唇を重ねられた。
「ん・・・」
唇を離す際にチュッとリップ音を鳴らして、ゆっくりと顔を離す。閉じた目を開けると、ポカンと目を丸くして呆然と、時が止まったように固まる○○の顔。直ぐに反応が貰らえなかった紫原はシュン・・・と眉を下げるも、今度は頬にキスをしてみた。
『〜〜〜っな・・・！ぁ・・・！？』
ようやく声が喉から出て来るもそれは言葉にならず、顔を真っ赤にして紫原を見つめた。
「あ。ようやく反応あったし。○○ちん、顔真っ赤〜。本当に今日はコロコロ表情変わるね〜。流石、百面相の名人○○ちん」
確かに、この時間帯で何度表情を変えただろうか。しかし、最後は紫原の故意犯。キスをされたら普通に赤くなってしまう。それも、好きな人からなら尚更だ。
『もう！紫原の所為でしょ！？』
「ハハ。オレの所為〜」
頬を染めたまま怒られても紫原は楽しそうに笑い、大きな手で包み込むように○○と手を繋いで帰り道を歩いた。その後も二言三言文句を言っていた○○の表情は、もう紫原と一緒に楽しそうな表情をしていた。
―ほら、また君の表情が変わった―
END H30.11.15
終わり
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作者名：桜輝 | 作成日時：2018年11月15日 23時
