12月23日 AM7:30_ ページ5
キドside
生憎の曇天で、洗濯物は乾きそうもないなと、ため息をついた。ふと、目を向けるとカノがのそのそと起きて来るところで、髪は寝起きでボサボサ、服はまだパジャマのままだ。8:00に買い出しに行くと言ったがどうやら無理そうだ。
「おはよう、キド。今日の朝御飯なに?」
眠たそうに目を擦って横に立った彼を睨みつけた。
「おそよう。寝坊野郎に朝御飯はない。」
えーっと膨れる彼を無視して、野菜を切る手を進めた。チラとカノにもう一度目を移すとまだ膨れっ面だ。ため息をついて茶碗にご飯をつけてやると、ありがとーっと言ってそのまま席についた。
今現在、セトはバイト。クロハはマリーと朝早くから出掛けていて、家にはカノと俺の二人だけだ。
何気なしにカレンダーに目を向けると25日にマリーが描いた拙いピンク色の丸がついている。
「あぁ、そう言えば、明後日はクリスマスだな。」
そう呟くと、カノは驚いたような顔をした。
「へぇー、キドでもクリスマス近づくと浮かれるんだ…」
「いや、違う。ただ、カレンダーにマリーが印をつけていたからな。気になっただけだ。」
ふぅんと言って、つまらなさそうにするカノに、疑問を投げかけた。
「みんな、予定とかあるのか?」
クリスマスパーティーをするなら早く材料やプレゼントを買っておきたい。しかし、それは杞憂なようだ。
「予定ねぇ。マリーとセト、コノハくんとエネちゃんはデートで、シンタローくんはバイト。確かキサラギはクリスマスライブじゃなかったかな?」
あ、言わなくてもわかるだろうけど、ヒビヤくんは実家だよ。そう言ってまたもやどこかつまらなさそうにするカノの意図が汲み取れないほど、馬鹿ではなかった。
「お前はどうなんだ、カノ?」
そう尋ねると、やっと気づいたかとでも言いたげな顔をして席を立ち、俺の傍に近寄ってきた。
「毎度のことながら、フリーだよ」
初めから言えばいいのに。と喉まで出かかった言葉を飲み込み、代わりに違う言葉を吐き出した。
「久々に、遊びに行くか。」
「はい、喜んで。」
それから、どちらからと言うこともなく、唇を重ねた。
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作者名:零月 | 作成日時:2015年9月8日 23時