【カゲプロ】Idle gossip (ページ15)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:4,632 hit

12月23日 PM4:30_ ページ15

セトside

コノハさんの一言の後話は平行線を辿っていた。
疑いたくない、でもそれ以外に犯人像が浮かばない。そんな中で全員が全員、自分以外を疑っていた。コノハさんは何を考えているのかわからない。ただ、彼はじっと空を眺めていた。シンタローさんはスマホを操作し、エネちゃんと情報を集めている。
｢キサラギとヒビヤに…連絡しないか？｣
口を開いたのはキドで、スマホを握り締めている。
｢ニュースでは未成年だから名前は報道されていないし、情報も増えていないが、感の鋭い奴等だから気づいてると思うんだ。｣
それには賛成だ。心配を解きたいのもあるが、それ以上に何か気分転換がしたかったのだ。
｢わかった、エネ、ヒビヤに繋いでくれるか？｣
｢もちろんです、ご主人！｣
場所の特定防止のため、俺達のスマホは機内モードになっている。そこで連絡を取るためにはエネちゃんが必要なのだ。
｢繋ぎましたよー！それじゃあスピーカーモードにしますね！｣
その言葉と同時に懐かしいあの夏以来の声が飛び出した。
『おじさん達、大丈夫なの！？ニュースの反政府組織ってメカクシ団だよね！？アジトが映ってるしなんか拳銃もアジト内で見つかったらしいし、どうなってるの！？』
｢落ち着け、ヒビヤ。｣
キドがたしなめると、ヒビヤがぜぇぜぇと息を荒くしている声が聞こえる。
｢俺達もよくわかっていない。ただ犯人を早く探してどうにかしたいと思っている。｣
『僕はどうしたらいいの？』
｢お前の名前はバレてない。エネが調べてくれた。だからお前はそこにいろ。｣
キドがそう言うと、ヒビヤは憤ったかのように叫んだ。
『ふ、ふざけないでよ、僕だってみんなの力になりたいんだ。ヒヨリをみんなが救ってくれたみたいに、みんなの役に立ちたいんだ！』
固い決意にキドが息をつまらせた。その静寂を切り裂いたのはシンタローさんだった。
｢それでも駄目だ。というより足でまといだから来るな。｣
真実を的確に突いたその言葉には明らかにヒビヤを気遣う気持ちが含まれていた。それ以上、ヒビヤは何も反論せずにただ、
『無理はしないで。』
と言う言葉でそのまま電話が切れた。