【カゲプロ】Idle gossip (ページ12)

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12月23日 PM3:50_ ページ12

カノside

キドの一声で空気が一変した。張り詰めたような空気感に不思議と背筋が伸びた。マリーの家の床に円になって座ると、キドは口を開いた。
｢まず、一応状況整理だけしておく。｣
そう言うと、ルーズリーフとボールペンを取り出し、コノハくんに渡した。
｢現在の状況を一番よくわかっているのはお前とエネのはずだ。話してくれ、書くのはコノハ頼んだ。｣
｢わかった。｣
コノハくんが背中を丸めてルーズリーフに向かうと、ポツポツと話し始めた。
｢犯行声明が警察に届いたのはエネの調べによると7時24分。始めてそれが報道されたのが９時でKGP放送局にて。そのニュースを俺が知ったのは12時過ぎ。井戸端会議をしていたおばさんの話を立ち聞きして知った。その時に、俺の能力が騒ぎ出したから不審に思って、エネに事件の概要を警察にピンポイントで調べに行ってもらった。で、犯行声明を出したのがモモとヒビヤとエネ以外の俺達ということになっていて、アジトが特定されているのを知った。だから全員集まれて特定されにくい場所、つまり此処にみんなを誘導した。以上だ。｣
なるほど…理にかなっている。流れも正確で不審なところはない。しかし、一つ気になっていたことを口にした。
｢シンタローくん、能力が騒いだってどういうこと？｣
そう聞くと、苦虫をかみつぶしたような顔をした。
｢俺自身もよくわかってないんだ。ただ、アヤノのときに、クロハが現れる前、なんか蛇が騒ぐっていうか、能力が騒ぐっていうか、なんか変な感じがしたんだ。その時と同じ感じがして。｣
｢なるほど、ありがと、シンタローくん。｣
疑問の糸が解けた。
｢概要はわかった。ならまず調べなきゃいけないことがある。犯行声明を送った犯人は誰か、だ。｣
キドが腕を組みながら口を開いた。思い詰めたような顔をしていて、犯人に殺意が芽生えた。俺はキドを、そしてみんなを苦しめている相手を絶対許さない。フツフツと沸き上がって来た感情をなんとか抑えて、隣のキドの震える手を握った。彼女は少し笑うとみんなを見渡した。

その時、コノハくんが口を開いた。