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【食堂】
食事を終えた入間は、
揶揄われない様に即座に自室へと戻って行ってしまった。
『揶揄い過ぎたかしら?』
サリバン「満更でも無かった気もするけどね〜
あ、ワイン飲む?」
『…有難う。でも、今日は大丈夫よ』
折角の好意だが、Aは断った。
サリバン「…全く〜。
肝心な所は変わってなくて、良かったよ〜」
『…?。何の事?』
サリバン「君、どうせこの後、
カルエゴ君から出された課題でもやるんでしょ?」
『…え?』
何で分かった?とAの頭の中に?が沢山、浮かび上がる。
サリバン「君が魔界に戻って来た時、
凄く変わってたから驚いたよ。あ、勿論、良い意味でね?
でも、肝心な所は変わってなくて、何だか安心したよ。
君は努力家だからね」
Aは驚き過ぎて、声すら出ない。
それは、何故か____
彼女は幼少期から優秀であった。
そんな彼女の事を、皆は【天才】と呼んでいたのだ。
しかし、優秀なのは彼女自身の努力の賜物であった。
その【天才】が、彼女に精神的負担を与えていたのだ。
彼女の教育係が増えると、
立ち振る舞いや表情も何もかもを皆が"求める"人物像へと、
自ら造り上げてしまったのだ。
彼女が人間界へ逃げる前、
魔界で魔王の婚約者となった時の事。
その【天才】と言う肩書きが、彼女の首を更に苦しめたのだ。
【魔王の隣に立つ者ならば、相応しい者でなければならない】
悪魔達は皆、そう思った。
彼女は才色兼備。
その上、貴族悪魔であり、
【不可侵領域】の家系能力を持った悪魔である。
全てを兼ね備えた、魔界一の美女と当時は騒がれていた。
そして、彼女ならば魔王の妃に相応しいと____
彼女はその期待に応えなくてはならないと…
辛うじて繋いでいた糸が一本、また一本と切れていった____
そんな事があって、Aは自身が努力をしていた事等、
誰も気付いていないと思っていたのだ。
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豆腐の凉宮 - やだ......好き!!!!!!!! (6月16日 20時) (レス) @page12 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶有希(プロフ) - 最高です!ありがとうございます! (2023年1月22日 10時) (レス) id: 5498c7718c (このIDを非表示/違反報告)
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