821話です ページ5
突如行き先を阻むように上下から現れた氷柱に、手を伸ばした遥弥さんの手がピタッと止まる。
だがそれは一瞬で氷柱に触れ、遥弥さんは一言冷たいの零した。
「どうやらこの氷柱は本物のようだね。しかもかなり頑丈に作られている。これを壊すには骨が折れそうだ」
「って遥弥さん何冷静に分析してるんですか!?」
「それ君が言えることなの?」
「うぐ……っ」
確かに私はよく冷静に分析することがある。けど今は非常時だ。冷静も何もないだろう。……こういう時こそ冷静にならなければいけないというのに。心が焦る。
「にしてもホント厄介なことをしてくれたよね。彼ら」
鈴木先輩はディーノさん達の邪魔立てしないように障壁を作った。……しかし問題はそこではない。何故か私を含めたツナ達と遥弥さん含めたリボーン先生達の間を隔てるように壁があることだ。
苦虫を噛み潰したような顔をする遥弥さんに私は何も言わずに触れた。冷たい。遥弥さんの言う通りだ。うっすらとだが内面に死ぬ気の炎が見える。
「帰ろうアーデルハイト。簡単に殺しちゃいそうだよ」
ふと聞こえた古里さんの声にハッと顔を上げた。私の目の前には気を失ったまま動かない恭弥さん達と天井にて押さえつけられているツナ。
なんとか脱出しようとするツナはハッとした。どうやら私がこちら側にいることに気付いたらしい。なんで、と彼の口が動く。
「一瞬で殺してしまったらシモンが背負わされたのと同じ苦しみを味わわせられない」
「そうだな。息の根を止めることなどいつでもできる。奴らに味わわせるべき生き地獄」
「クロームちゃんも連れて行くよ。デートする約束してるからね〜〜ん♪」
ヒョイっと加藤さんがクロームを抱き上げると、その拍子に彼女の指からボンゴレリングが滑り落ちた。
クロームと名を呼び手を伸ばすツナに古里さんは剣呑とした眼差しを向ける。
「ツナ君は自分の心配をした方がいいよ」
押さえつける力を更にくわえられ、ツナは鮮血を吐いた。バキっと音を立て割れるボンゴレリング。それと同時にツナが地面に落ちてくる。
「っ!!ツナ!!!」
死ぬ気の炎は消え、Xグローブもすでに手袋に戻っていた。耐えきれなくなり慌てて駆け寄ろうとする私に遥弥さんが待ったをかけてくる。
「待ってユキ。不用意に近付くな!!」
「え?……っ!!」
遥弥さんの声にピタッと足を止め振り返った時だった。
ふわっと浮遊感に襲われたのは。
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時