第弐幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ49)

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第九十戦目　貴「正面にデカい船」ページ49

貴「コレどうすべきだよ」

銀「・・・」

マントの中から顔だけ出して首をかしげている銀。
なるほどなるほど、自分でどうにかしなさいこのスカポンタンって事ですね分かります。
しょぼくれていると船の上が騒がしくなった。

貴「なにごと？」

正面を指差しながら何か言いあっているが、如何せんマストに括られて座らせられてる状態なので何を指差してるのかはわからない。
何とか見えないかと縛られたまま背伸びして頑張っていたら先ほどの男が寄ってきた。

「船、前から、来た。あなた、人質」

貴「あー、なるほどね」

マストに巻かれていた縄を取られた。
取られたところで俺自身にも縄がぐるぐる巻きにされてるからできるようになったことと言えば立つことくらいですけど。クララでも頑張ればできるわｗｗ

「船長、待ってる。この後は、船長の、言う事、聞いて」

貴「分かった」

なんだかんだ言われながら船の一番前まで連れてこられた。
そこには髭を蓄えたなんかエラそうなおっさんが一人おり、手招きをしている。
さっきまで俺と日本語で話していた男は髭のおっさんと今度はよく分からない語で話し出す。
少し話した後俺はおっさんに渡された。

「あなた、船長に、脅迫する、言葉、教えて」

貴「え？」

船長「よろしく」

貴「おお、船長話せるの？」

「船長、それしか、言えない」

貴「あぁ、そうなのね」

それにしても・・・自分が脅迫に使われるというのにその脅迫の言葉を考えろってのは新しい。
普通の人間ならこんなこと絶対ないだろ。
前方にはデカい船。なんかよく分からない顔みたいなのも付いている。
向こうの船もこっちの状況は分かってるみたいでさっきから呼びかけている。まァ一方的に向こうから言ってこられてもこっちの方々日本語ちんぷんかんぷんだから。分かってないから。

前方のでっかい船side～

「アニキ！！人が一人捕まってますぜ！！」

？「あ？ちょっと貸してみろ」

アニキと呼ばれた男は双眼鏡を受け取り覗き込む。
レンズの向こうには確かに縄で縛られた人間が一人。

「どうしますかアニキ！」

？「決まってんだろ！瀬戸海は俺のもん、荒らす奴は沈めてやるぜ！！」

Aside～

船の先端に連れてこられました。
俺の首筋にはナイフが添えられています。おー怖い怖い(棒)
ナイフを添えている船長は首でン、ンと促す。どうやら脅迫を初めろって事らしい。
すごく複雑だが・・・とりあえず従っとこう。