八百十六話目 「獣医じゃねえぞ」 ページ20
『はぁ……仕方ねえか』
ルッチさんは銀に任せて(と言っても見守っていただくだけのお仕事なのだが。何かあったら全力で呼んでくれるそうです)部屋を出てから電伝虫を取り出す。
頗る気が進まないし、借りは作りたくないが仕方ない。
受話器を上げれる状況であることを願っていれば、スリーコールほどで繋がった。
『あー……もしもし？トラファルガーさんのお宅でしょうか』
〈Aか。また死にかけてるのか？お前も好きだな〉
『いやぁ、好きで死にかけたわけじゃねえんだけども』
受話器の向こうからはローの声しか聞こえない。自室にでもいるのであろう。戦闘中とかじゃなくてよかったと安堵のため息を漏らしたが、いや安心するのはここじゃないと気を引き締める。
『ちょっと聞きたいことがあるんだけどよ。お前の専門分野絡みで』
〈あ？……そこらの医者に聞けばいいだろうが〉
『そこらに獣医なんていねえからお前に聞いてんだよ』
〈俺もペットは専門外だぞ〉
『ペットじゃねえよ同僚だよ。なんだったっけ……キュウソネコカミ病？っての』
〈ネコの病気じゃねえか〉
『でも知ってるんだな。流石』
〈ハッ、惚れたか？〉
悪戯っぽく笑うローには愛想笑いで対応しておく。
正直、俺には医療知識なんて皆無なもんで。でも機嫌損ねてもアレだしね。
『俺のところの船医もお手上げってんで』
〈だろうな。最近じゃ珍しい病気だ……最近じゃそのウイルスを持っているネズミはこの広い海でも数種類……それも新世界にしかいねえ。お前のペット、どこで放し飼いしてたんだ〉
『え？………いま新世界じゃねえけど』
〈潜伏期間は最長三日だぞ？その間に連れて行かなかったか？〉
三日前なんて既に任務に出ているし、新世界には行っていない。ずっとグランドライン前半の場所を巡っている。
『というか、治療法は？』
〈薬のみだが……〉
『その言い方は……広く普及はしてねえわけだな』
〈ああ。そもそも人間には感染しねえわ、猫でさえ相当な量のウイルスが入らねえ限り発症しないわ、持っているネズミの種類も絶滅したわで最近じゃ作っても活躍しねえからな。おまけに薬になる成分を持った植物もネズミと一緒に減ったおかげで数十年前に激減した代物だ〉
『……何がどうしてそんなもんに感染してんだあの人』
〈………冗談抜きで人なのか？〉
『お前まだネコだと思ってたのかよ』
普通に驚いているローに頭を抱えた。
因みにローの言う事には「ネコだともって五日」らしい。
八百十七話目 「我儘放題、やりたい放題」→←八百十五話目 「窮鼠猫を噛む」
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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