六百九十一話目 「クマのキャプテン」 ページ35
頭を抱えて絶叫したクマ。呆気に取られていると、また重い痛みが襲ってきた。
歯を食いしばって痛みに耐えていると、そのクマが寄ってくる。
「もしかして、この子病気なの？」
「ああ。ちょいと厄介な病気だよい。余命あと三日だ」
「みみみみみ三日！？」
俺の頭に手をあてたり、体の調子を聞いてくる。
俺も素直に受け答えていると、クマはうーんと唸ってマルコに向き直った。
「お兄さんは海賊だよね？」
「へぇ、なんで分かったんだよい」
「胸のマークと雰囲気かな。オレもね、海賊なんだ」
エッヘンというように胸を張ったクマがかわいらしい。身体が痛くなかったら抱きついていたところだろう。
黙って聞いているマルコにクマは続ける。
「オレのキャプテンはすっごいドクターなんだ。多分だけど、この子治せるよ」
「本当かよい！？」
「だから、ここにキャプテンここに連れてきてもいい？」
「願ってもねえ話だが……お前んとこのキャプテンは診てくれるのかよい」
「多分大丈夫！嫌って言ってもオレが説得するよ！！」
死にそうな人をほっとけないもんね！と俺を見ながら笑うクマ。
なんかもういい人すぎて……いや、いいクマすぎて涙が出そうだ。
マルコが無言で俺を見る。どうするかは俺が選べとそういうことらしい。
『えっと……クマさん』
「あ、オレの名前はベポだよ」
『じゃあ、ベポ……助けてもらってもいいか？』
「アイアイ！キャプテンの所に急いで行ってくるね！！」
元気に承ってくれたクマもといベポは再び大げさな音を立てて部屋から出て行った。
足音が遠ざかっていくのを聞きながら、マルコが笑う。
「お前はホントに悪運が強いねい」
『自分でもびっくりだわ』
「ま、薬があることを祈るよい」
クマが戻ってきたら起こしてやると遠回しに寝るように促された。
頭を撫でられ、体中の痛みを感じながらも眠気が襲う。どうやら俺は撫でられるのが好きらしい。最近気づいたけどさ。
眠ったはいいが、一時間ほどで目が覚めてしまった。
やっぱり眠気よりも強い痛みがあると人間は起きてしまうらしい。そりゃそうだ。
マルコにはもうちょい寝とけと言われたとき、廊下の外から声が聞こえてきた。
「はーやーくー、キャプテン！！急いでって！！」
「急かすな。ったく、なんで俺が見ず知らずの人間を」
「キャプテン医者でしょー！」
「医者の前に海賊だ」
「いいから、早くしてって！」
「お前話を聞いてねえだろ」
六百九十二話目 「ホクロの心配」→←六百九十話目 「ルームサービスかと思いきや」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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