六百九十二話目 「ホクロの心配」 ページ36
扉が開いて、ベポに引きずられるようにして入ってきたのは特徴的な帽子をかぶり、長い太刀を肩に担いだ青年。目の下のクマがなかなかな存在感を放っている。あ、クマはベポの方のクマじゃないから、違うから。
「ほら、キャプテン。この子、この女の子だよ」
「……おいベポ、海賊の男がいるとは聞いたが」
「うん、そこの人」
マルコを指差すベポにため息をつきながら、キャプテンと呼ばれた男は口を開く。
どうにも苦々しい表情だ、マルコも苦笑いしているし。ついでに男の方は左手に太刀持ち直していつでも抜けるようにしてるし。
「海賊も海賊で白ひげじゃねえか……それも一番隊の隊長」
「えっ、ええええええええ！？白ひげえええええええええ！！？」
飛び上がるようにして俺の寝ているベッドの陰に隠れたベポ。
俺が被っている布団の端を握って顔だけをのぞかせる。
どうやら彼にとって白ひげ海賊団＝怖いらしい。まあ、わからんでもないけどさ。
「な、生意気な口きいてすみませんでした」
「そんな落ち込まなくてもいいよい」
ものすごくズモーンと重たい空気になったベポに困ったように笑うマルコ。
キャプテンという男もマルコに敵意がないと思ったのか、太刀を肩に担ぎなおした。
そしてチラリと俺を見る。見られたのでこちらはペコリと頭を下げておいた。
「……まあいい。白ひげに恩を売っても損はねえ。で、この女はなんだ。お前の恋人か？愛人か？」
「妹だよい」
「そうか、全く持って似てねえな」
「いや、そうじゃなくて。要はオヤジの娘だよい」
「………マジか」
あの後、ベポにはビビられ、キャプテンと呼ばれてた男には三回ほど聞き直され、マルコには爆笑されるという大惨事だったが何とか終息。
診察するということでベポとマルコは退出していきました。部屋には二人です。
「俺はトラファルガー・ローだ。好きなように呼べ」
『あ、どうも。俺は……ッ』
「痛むか？」
『まあ、あはは。俺は歌龍A、好きなようにどうぞ？』
じいっと俺の顔を覗き込むロー。なんだろうか、俺の顔面になにか着いているのだろうか。もしかしたら俺のあずかり知らぬところでとんでもないところにホクロが出来ているかもしれない。おでこの真ん中とかは勘弁だ。
『な、なにか……気になるところでも』
「お前、どこかで俺と会ったな？」
『いや、顔も名前も初めて………あれ？』
名前はともかく、クマや声は覚えがある。
なんか嫌な予感がするのは俺だけでしょうか。
六百九十三話目 「ベポがかわいい」→←六百九十一話目 「クマのキャプテン」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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