嫌い！大っ嫌いッ！でも、好き？

7.私が悪かった！ ページ9

―――最悪だ。

一言で今の気持ちをまとめるならそうなるだろう
今の状況は内心ともに最悪
私の逃亡を防ぐ意味っと言って私の手を握るミナトに最初こそ拒否したが、終始笑顔で――


『逃げるな、って言ったよね？』


――だそうです
ミナトが怒ることは滅多にない
っと思ってる輩は大勢居るだろうが、正直ミナトは大分短気だと私は思ってる
穏便に済ませたい
っと本人は思っているけど、いざとなれば手段は選ばない
そんな気を起こすんだよ
親しい相手には…特に
主な被害者はAって言う可愛らしい少女なんだけどね〜


「――って、ミナト！家こっちだよ！道、間違えてる！」
「ちょっと悪いこと…しようか！」
「はい？」


何言ってんのコイツは…？
何度も瞬きををしてはミナトの意味不明な行動に着いていけてないので、とりあえずニコニコ笑顔で笑うことにした
あの優等生のミナトくんが悪いこと？
あの優等生ミナトが――？

ありえない！！


「ミナトさん！？頭打ったんですか！？そうだよね！病院行こう！今すぐ行こう！！」
「何処も怪我してないよ…ちょっと行きたい所があるから付き合って…って話なんだけど」
「ふぅーん！ならそう言ってくれれば良いじゃん」


焦った自分が恥ずかしいじゃないか！
ミナトが悪いことだなんて…優等生だからこそ日頃の鬱憤を晴らすべく壮大な悪巧みを――
なんてちょっと考えちゃったけど……
私の思い違いならそれで良い―――


って、思ってた数分前の私を恨みたい


ﾋｭｳｩｩｩｩｳｳｳｯ


「ねぇ、ミナトさん」
「んー？」
「私が悪かった…もう今日は逃げないから今すぐ此処から立ち去ろう！」
「いやだ！」


そんな素敵な笑顔で私の申し出を断るなし…っ
ミナトの悪いことなんて対したことじゃないと思っていた数分前
あれやこれやと大人しくミナトに手を引っ張られながら着いて行った先は
此処、木ノ葉隠れの里の象徴とも言える歴代火影様の顔岩
――の、真上の展望台！
余程じゃない限り行かないし、ましてや真上だなんて
良くて火影邸の屋上だ
それをこの優等生ミナトが態々出向いたんだ
確かに、悪いこと…？だね！
来ること事態は悪くないけど――

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