嫌い！大っ嫌いッ！でも、好き？

35.小言の煩い母 ページ37

「――A」
「…んー…」
「そろそろ起きないと遅刻するよ？」
「……なんで居るの？」
「……昨日のコト覚えてないの？」
「…わすれた！」
「はい、ウソ！早く起きてご飯食べに行くよ」


寝起き早々ミナトの顔を見るなんてツイてない……
なんて言いたいところだけど、羨ましいぐらいの眩しい笑顔に悪態も付けやしない


「…なんでそんなに元気なのさ？」
「んー、寝起きのAが見れたから？」
「帰れ」
「ふふっ」


ミナトはミナトで何時もと変わらないで良いですねー
漸く本調子になってきた所でベッドから起き上がったのを確認したミナトは先に下に降りていったけど…
アイツ起きるの早くね？
まだ6時半だよ？
普段なら普通に７時まで寝るんですけど私
あの歳で早起きとかじーさんかよ
ミナトの今後について心配するだけ無駄なので起きてしまったのは仕方がないことだし大人しく着替えることにした


「Aもミナト君を見習って早起きしてくれれば助かるのにねー」
「はいはい」


ミナトより出来の悪い娘でごめんなさいねー！
顔に手を添えわざとらしく溜め息を吐く母親の目を盗んでベーッと舌を出せば現行犯でミナトに目撃されたのは見なかったことにする


「ご馳走さまでした」
「えっ！？もう行くの？」
「早く学校に行って予習しなきゃいけないからね！」
「うわぁーガリ勉」
「昨日は出来なかったから、ね」


ニコニコ笑顔で意味深なこと言うなよ
ご飯を一口食べながらお母さんに見送られるミナトを眺めた
何が楽しくって勉強してるんだか…


「Aも早く食べちゃいなさい！遅刻するわよ」
「平気ですぅ〜まだまだ余裕だもん」
「まぁたアンタはそう言ってこの間も遅刻しそうになったじゃない」
「アレはギリギリだったなぁ〜」
「Aッ！」


なんでウチお母さんはこんなに口煩いんだろうか、はぁ…
コレだったらさっさと食べちゃって学校で二度寝でもしようかな


ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝｯ


こんな朝っぱらから来るとはどんな物好きなんだか
つか、時間考えろよなぁ


「A！シカクくんが迎えに来たわよ」
「 ！ なんと…っ！？」


物好きがまさかの知り合いだったとは―――

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