嫌い！大っ嫌いッ！でも、好き？

29.記憶に無いハナシ ページ31

「はぁあ〜？絶っ対ヤダッ！！」
「何を今更恥ずかしがってるのよ？ミナト君とはお風呂にも入った仲じゃない」
「だーかーらッ！ちっちゃーい頃の話を掘り返さないでよ！ミナトはお父さんと寝てよね！」
「え〜ボクはAと一緒がいいな〜っ」
「〜〜っ！」


夜も遅くなり就寝時間となった今
私の部屋で寝る気満々のミナト
と
私の部屋でミナトを寝かせる気満々のお母さん
ニコニコ笑顔がムカつくことで何より
「今も充分子どもじゃない！」 なんて能天気な母親を持って私は幸せ者ですよ！…ったく
っとは言っても、このやり取りもミナトが泊まりに来る度にやっていることで――
結局、私が渋々折れるしかなかった
否、お母さんが私の話など聞く耳持たずに逃げるのが原因だ


「はぁ〜なんで学校でも会って家でも一緒に居なきゃダメなのさ」
「……イヤ？」
「………もう慣れたッ！！」


敷き布団を敷く手を止めｼｭﾝ…ｯと落ち込むミナトに罪悪感とか諸々込み上げてきて不貞腐れた
言い過ぎたとは思うけど事実だろ…ッ！？
ベッドの上に座り壁に背中を預けながらミナトの淡々とこなしていく作業を眺めてた
全部お母さんに任せれば良いのに、自分でやっちゃう辺り出来た子だよねぇ〜
ソコで要らぬポイントアップを狙いやがって…ッ！
ソレもムカつくけど…今一番イライラの原因は――


「そもそも人の記憶に無い話をされても此方が困るってもんよ！」
「ん〜まぁ確かに流石にボクも覚えてないけど、Aがよくボクの傍を離れなかった！ってのは覚えてるよ」
「はぁ？それはミナトじゃん！い〜つも私の後ろに隠れてメソメソしてたッ！」
「記憶を捏造するのは良くないと思うなぁ」


にっこり笑いながら枕を叩き整える様は明らかに怒ってますよアピールだった
少なくとも私にはそう見えました
ちょーっと記憶違いがあった " カモ " 知れないけど、ミナトがずっと私の傍に居たのは間違いじゃないか！

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